つぎのカクテルは、３色に分かれたカラフルなカクテルだった。

おおー、華やか！
私ってこんなイメージ！？

と、ちょっと照れながらも、飲んでみる。

色はキレイだけど、味はあんまり……というかコレ、リキュールの原液を飲んでるだけじゃん……。

特に一番下の黄色いリキュール、アドボカードはブランデーや卵黄からできているので、アドボカードだけを飲むのは非常にキツイ。
濃厚なカスタードっぽい味が口に広がる。

こうして思い出しているだけでも、ウッとくるくらい強烈だった。

３つの材料が混ざらないで層になるのは、液体の比重が違うから。ブルーキュラソーの方がトマトジュースより重いのは意外だったな。

見た目だけのカクテルだけかと思いきや、そんな深い理由が！

確かに我が家って、そんな風に兄弟で色分けされてたなー。私はすっかり忘れていたけれど、弟はよく覚えていたようだ。

そして最後のカクテルはなにかなー？とワクワクしていたら、マスターがさっさと作って無造作に出てきたコレ。

においはトマトジュース。
こりゃブラッディ・マリーだなあ。

なんで最後にこんなふつうのカクテルが出てくるんだろう。別に私はブラッディ・マリーが特別好きなわけでもないのに。

姉の企画意図を理解してくれているのだろうか。

実際には、タバスコはマスターの心づかいのぶんだけ入っていたようだ。
友人いわく、マスターは「どのくらいかな」「これくらいかな」「じゃあおまけで」「あと少し」などと言いながら、どんどんタバスコを入れていたらしい。

マスター本当にありがとうございます。

すごく辛いものの、味自体はとてもおいしい。
ブラッディ・マリーにスパイスを入れるアレンジがあるので、これはアリだ。辛いものが好きな友人は「うまい！！」と絶賛。

私には辛すぎたけどな。

いや待て。

確かに子供の頃はよく殴っていたけれども、それはおまえが毎朝毎朝ちゃんと起きなかったからだ。
いわば愛のムチなのにー！