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ひらめきの月曜日
 
タコを叩きまくって柔らかく

さっそく焼いてみよう

タコを保冷バッグに戻し、そのまま帰宅。持ち帰ったタコを取り出してみた。


左:叩いたタコ 右:叩いてないタコ

同じような太さのタコだったはずが、左が心なしか細く見える。表面の皮も破け、いかにも満身創痍といった風情。…当然だ。あれだけ叩かれたんだもの。

2つを並べて網に乗せ、さっそく焼いてみた。
ああ、とてもいい匂いがする。イカ焼きほど強烈ではないものの、これは海の匂いだ。夏の匂いだ。


左:ボロボロ 右:瑞々しく立派

なんだろう。叩いたタコが、さらにみすぼらしく見える。焼くことで、その差が開いてしまった。

焼いている最中も「もう僕には何の力も残ってません」とでも言いたげにグンニャリしており、ひっくり返すのが大変だった。

いや、でも重要なのは見た目ではない。問題は「どれだけ柔らかくなったか」だ。まずは、叩いてない通常バージョンのタコを食べてみよう。


普通に噛みちぎれます
ジューシーで、とてもおいしい

焼いたタコを切らずに食べるのは初めてだが、まぁ硬さはこんなもんだろう。噛み切れさえすれば、表面はプリッ、中はジュワッで、いつものタコだ。うっすらと塩味も付いており、調味料ナシでも十分いける。

さて、続いてはお待ちかね、叩いたタコだ。見た目はダメなことになっているが、さぞかし柔らかいことだろう。では、さっそく…ガブリ。


…ん?
………んん?

なんだなんだ。全く歯が入っていかない。つまり、噛みちぎることが出来ない。正直、こんな硬いタコは食べたことがない。

「歯ごと持っていかれそうだ」と思いながら、根性で噛みちぎったところで、その肉片は水分というものが全くなく、スッカスカだ。そしてやっぱり硬い。

あれだけ叩いたのに、一体どういうことだ? 生は柔らかかったのに、なんでだ?


どんなに引っ張っても、ただゴムのように伸びるばかり

叩きすぎた

食べるのに難儀するほど硬くなるなんて、さっぱりワケが分からない。考えられるとすれば「調子に乗って叩きすぎた」ことくらいだ。タコが痩せ細ったり、皮が破けるほど叩くべきではなかったのかもしれない。

そういえば、星野知子さんのエッセイには、ギリシャのおじさん談として、こんなことも書いてあった。

「今は壁に打ちつける以外に洗濯機で回したりもする」

…洗濯機。一気にソフトになったものだ。どうやら、やはり叩きすぎだったようだ。

次にタコを買ったら、もっと優しくソフトに叩きたい。

叩きすぎたタコは、煮てもやっぱり硬かったのでした

 

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