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東急メディアコミュニケーションズ


ひらめきの月曜日
 
開拓時代にタイムスリップの村

わからないことはない!こちらからの質問にもバッチリ応対!しかも村内で行われる催し物もこなすマルチさ。
「ここでお菓子買わなくていいよ!」と、ナイスな案内ぶりを見せる久志本さん。
いろりの火を囲んで話をしてくれた木保さん(中央)。入ったとき、また人形かと思ったら本物の人間でびっくり。

ボランティアの匠たち

施設の完成度もさることながら、村を隅々まで知り尽くしたボランティアの方がとにかくすごい。

まず、そのスキルがすばらしい。
基本的に開拓の村に関わる案内・販売・解説など何でもこなす。

案内や解説も、なまはんかなものではない。
それぞれの建物の年代、由来、細部の説明にいたるまでばっちり頭の中に入っているのだ。

ボランティアさんの解説は、ただ見るだけではわからない情報が山盛りだ。実は私、この開拓の村に過去1回来ているのだが、そのときは自分たちで歩き回っただけだった。

今回案内してもらっているあいだ、
「へー!」
「はあー!」
「そうなんだー!」
と、私と同行者は感嘆の声をあげっぱなし。

ちなみにボランティア体験で同行していた学生くんまで
「へえ〜!」
と洩らしていたので、いかにボランティアさんの話がキャッチーで面白いかわかるだろう。


ここまでハイレベルなボランティア活動ができるようになるには、いったいどうしているのか。

聞いたところ、まず最初の研修を受け、1年ほどは簡単なポジションから始める。
そしてあちこちのポジションを経験して、すべてをこなせるようになるには2年もかかるとのこと!

しかも研修はたびたびあって、ある程度のレベルが保てない場合はボランティアをやらせてもらえないかもしれない。
なんとも大変な話です。


さらに話を聞いたところ、すべてのポジションを担当できるようには研修を受けてはいるものの、じつは何の作業を担当するのか、個人によって好き嫌いがあるようで。

「販売はお金数えるのが嫌い」
「あんたはただしゃべりたいだけだろう」
「じいさんが2人並んで店番したって、誰も買わないからなあ」

こんな軽口をたたきあうみなさんの会話は、どこまで本当かわからない。

とにかく皆さんはノリがよい、ということだけはわかった。

 

こちら旧小樽新聞社。札幌軟石を使ったレンガがモダン。

技術とサービス提供します

このように、ボランティアの方々は村内のあちこちに配置されている。

そのようすはまるでふだんの生活をしているかのように、ごく自然に施設内の建物で、それぞれの作業を担当していた。

たとえば旧小樽新聞社の社屋では、当時の印刷技術や機械などが展示されていたが、横の小部屋では臨時ボランティアの林さんが黙々と絵葉書を印刷していた。

それがとても自然なので、この新聞社は今でもつかわれているかのように錯覚してしまう。

手フート印刷という当時の機械で絵葉書印刷中。新聞社で印刷した絵葉書をもらって……
近くの郵便局で切手を買って投函できる。ポストの奥にある明治時代の郵便局も、曜日によっては通常営業中。

 

雨天でなければ、着ていたのだが……
慣れた手つきで縄をなっていく鈴木さん(左)と松本さん(右)。真ん中にいるのは学生さん。

参加もできるよ

ここまできたら、どっぷり明治・大正時代にハマっていこう。
村の受付では着物ふうの羽織を貸してくれるので、クラシカルな風景をバックに写真を撮るのもいいかもしれない。

また、季節によってひんぱんに催し物が開かれるので、それを目当てに行くのもいいだろう。

私は夏場しか行ったことがないが、村が真っ白になる冬に行くのも風情がありそう。寒いけど。
小屋で北海道の厳冬を過ごす、当時の人の気持ちがわかるかも。ただしカゼには注意。


なお、催し物をはじめ、店舗の営業、開村時間、休村日などはことごとく季節によって変わるので、行くときは村のスケジュールをチェックしてからどうぞ。


私が行った時は特に催し物はなかったが、ぞうりづくりの実演をしている建物で、特別にワラから縄をなう体験させていただいた。

というか「まあ上がって作ってけ!」といわれたので、思わず上がりこんでしまった。まるで人んちのようだ。


ぞうりづくり担当の鈴木さんと松本さんは、2人で軽妙なトークを交わしながらすごいスピードで縄をなっていく。

2人が容赦なく飛ばしてくるジョークに、私も、居合わせた学生さんもタジタジだ。

鈴木さん熱血指導中。まずワラを2束に分け、足で押さえる。この段階で体の硬い人には無理。 手の平で2束同時にこよる→交差させる→こよる、をくりかえす。こう書くと簡単そうなんだけどなあ。
おふたりは、わらじや雪靴も編めるのだ。 「これ着ていきな!」といわれてゆきんこルック。あったかい。室内履きにほしい。

 

当時の警察官の格好なので、模造サーベルも下げてます。
派出所の中にも人形。階級は前田さんよりエライらしい。

日々いろんなことがある

派出所で警察官の担当をしていた前田さん。カクシャクとしてらっしゃるが、なんと80歳を超えているという。

派出所の前でピシーッと立っている姿は、まったくもってお元気。というか長時間立ちっぱなしの警官役、ふだん座りっぱなしの私より元気じゃないだろうか。

そんな前田さんが体験した、ちょっといい話。

  • 外国のお客さんが、数年たった今でも手紙をくれる。
  • 道外の学校の生徒さんが記念写真を撮ったとき、大きく引き伸ばして送ってくれたことがある。
  • 本物の警察官と間違えられて、なんくせをつけられた。

最後の話はべつにいい話ではなかったかも。


それはともかく、特に最近は外国、特にアジアのお客さんが多くて、コミュニケーションは難しいそう。身振りや筆談などでやりとりをしているとか。

前田さんいわく、
「どこの国の人も心が大事ですよ」
とのこと。至言。

ボランティアさん自身に歴史あり

ここまで読んでもらったらすでにおわかりかと思うが、ボランティアさんは年配の方が多い。

会話のはしばしに、昔ふうの言葉が飛び出して、まわりの風景ともあいまって昔の人と会話しているかのようだ。


それにしてもボランティアの皆さんの、施設内を知り尽くした知識といい、広大な敷地内を歩きまわる行動力といい、体力でも記憶力でも私を上回っているにちがいない。
そのうえ、冗談を飛ばしまくってカラカラと笑う陽気な人ばかり。
ああ、このお達者パワーを分けてもらいたい。


このように、中にいる人まで、“開拓時代”な、北海道開拓の村。
皆さんお越しの際は、ただ見るだけでなく、ボランティアさんに話しかけてみてはいかがだろうか。

開拓の村食堂で食べた「屯田兵定食」。
ニシン漬けといももちが北海道風。

北海道開拓の村

住所: 北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50-1
電話番号: 011−898−2692
テレホンサービス: 011−898−1000
URL: https://www.kaitaku.or.jp

※休村日、開村時間は季節によって変わるのでご確認ください。


 

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