ボランティアの匠たち
施設の完成度もさることながら、村を隅々まで知り尽くしたボランティアの方がとにかくすごい。
まず、そのスキルがすばらしい。
基本的に開拓の村に関わる案内・販売・解説など何でもこなす。
案内や解説も、なまはんかなものではない。
それぞれの建物の年代、由来、細部の説明にいたるまでばっちり頭の中に入っているのだ。
ボランティアさんの解説は、ただ見るだけではわからない情報が山盛りだ。実は私、この開拓の村に過去1回来ているのだが、そのときは自分たちで歩き回っただけだった。
今回案内してもらっているあいだ、
「へー!」
「はあー!」
「そうなんだー!」
と、私と同行者は感嘆の声をあげっぱなし。
ちなみにボランティア体験で同行していた学生くんまで
「へえ〜!」
と洩らしていたので、いかにボランティアさんの話がキャッチーで面白いかわかるだろう。
ここまでハイレベルなボランティア活動ができるようになるには、いったいどうしているのか。
聞いたところ、まず最初の研修を受け、1年ほどは簡単なポジションから始める。
そしてあちこちのポジションを経験して、すべてをこなせるようになるには2年もかかるとのこと!
しかも研修はたびたびあって、ある程度のレベルが保てない場合はボランティアをやらせてもらえないかもしれない。
なんとも大変な話です。
さらに話を聞いたところ、すべてのポジションを担当できるようには研修を受けてはいるものの、じつは何の作業を担当するのか、個人によって好き嫌いがあるようで。
「販売はお金数えるのが嫌い」
「あんたはただしゃべりたいだけだろう」
「じいさんが2人並んで店番したって、誰も買わないからなあ」
こんな軽口をたたきあうみなさんの会話は、どこまで本当かわからない。
とにかく皆さんはノリがよい、ということだけはわかった。 |