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ロマンの木曜日
 
近所に泊まろう!

観光地・田無

というわけで、ご近所である田無駅周辺を旅してみることにした。
田無駅は東京都の西東京市というところにある。
西東京市は練馬区のとなり、あと一歩で埼玉県という位置にある、都心で働く人々のベッドタウン的存在の街だ。
ご近所といっても、ボクが田無駅を利用する時は、そのまま駅から自宅までバスに乗ってしまうことが多いので、実を言うと駅の周辺をあまり知らない。
よく知らない街を旅するのだから「観光」というのも成立するのではないだろうか。


まんが「あたしンち」の舞台としてもおなじみの田無駅

とはいうものの、田無を観光地としてとらえると、力不足は否めない。
城があるわけでも、風光明媚な岬があるわけでも、絶叫マシーンがあるわけでもない。
しかし、こまかく探ってゆくとそれなりに観光的なスポットも存在する。


これは観光地っぽい。イタリア製なのに手相占い

地元野菜直売所。こんなのがあるのは知らなかった

 

田無が世界に誇る

ところで、田無では日本が世界に誇るべき、とあるものが作られているのを皆さんはご存知だろうか。
日本人なら誰しも知っている、あれが。

それは何を隠そう、未来の世界のネコ型ロボット、そう、ドラえもんの製造工場が田無にあるのだ。

と、もったいぶったわざとらしい紹介だが、アニメ「ドラえもん」の制作会社のシンエイ動画が本社を構えるのがここ田無なのだ。


グッと人目を引くドラえもんカラーのビル
見たことあるでしょ、このマーク

田無駅から歩いて5分ほどのところに、シンエイ動画がある。
ビルの外壁は鮮やかな青で、推測だがドラえもんの色に合わせているのだろう。
駐車場にいつも止まっている車もドラえもん色だ。
ここから世界中の子供たちに夢を発信しているのだ。
これは田無の自慢だ。


青い服のおばさんはたまたま通りかかっただけで無関係

 

駅前にミュージシャン

ひととおり駅周辺を観光して、また駅に戻ってきたら一人の青年がキーボードを演奏していた。
田無には珍しい、ストリートミュージシャンだ。
ギターを弾いた若者は見かけたことがあるが、キーボードを弾いている人を見たのは初めてだ。
ナナメによじれて立てひざ座りという、なかなか独特な演奏スタイルで、華麗にメロディーを奏でている。
普段のボクなら横目で見ながら通り過ぎるところであるが、観光気分がそうさせたのだろう、彼に声をかけてみた。


彼自作ののすてきなメロディー。と、おじさん
ベテランの大道芸人のような存在感も

何でも彼は、ロンドン在住のミュージシャンで、普段はイギリスで演奏活動をしているとの事。
さっき田無に来て、夜には秋田へと旅立つそうな。
ボクは貴重な来日公演を聴く事ができたわけだ。
話していると彼はやたらとボクに、ロンドンで制作したという彼のオリジナルCDの購入をすすめる。
話の最初では3000円だったのが、いつのまにか1500円になり、最後は「もう1000円でいいっすよ、千円で」と。
なんだその値段の決め方は。


田無駅にロンドン仕込みの音楽は高尚すぎたようだ

 

旅気分、高まる

見ず知らずのミュージシャンに話しかけるなど、少しずつモチベーションも高まってきた。
次はどこに行こうかと駅前の案内地図を眺めていると、本当に自分がどこにいるのかわからなくなってくる。

とてもわくわくしている。

いかんぞ、ここは近所だ。


ただのうなぎ屋も、ガイドブックに載っている地方の名店に見えてくる

女子高生の会話も、どこかの方言で交わされているような錯覚すらおぼえて、一人勝手にグッとくる

 

いつもは通り過ぎる店に入る

夜になっておなかが空いてきた。
ビールも飲みたい。
どの店に入ろうか。
いつもなら駅前ビルの中にある中華「東秀」などチェーン店あたりで済ますのだが、旅情も盛り上がってきたので以前より気になっていたものの、入れずにいた店に行ってみることにした。

以前、田無駅に到着する直前の電車の窓から外の景色を眺めていると、電車に向かって手を振る金髪の青年がいるのに気付いた。
その様子から、どうやらガード下にある赤ちょうんの店員さんらしい。
いったい誰に向かって手を振っているのか。

その謎を解くため、電車に手を振る店員さんのお店を目指して線路沿いを歩いた。


車窓から見たのはこの店だ

 

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