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ひらめきの月曜日
 
せんべい汁を食べてきた

続いて二軒目へ

時刻は午後の2時半。ランチタイムが3時までの店へ行くものの「ラストオーダーは2時半です」と言われてしまい、次のせんべい汁を食べることができない。

ああ、現地へ着いてからリーフレットを入手し、行く店を迷っているようでは遅いのだ。やはり事前調査は必要なのだ。

そうは思うものの、初めて訪れる土地は何もしていなくても嬉しくてワクワクする。その土地にしかないデパートや、古い商店などを見てはブラブラ歩いた。


こんな古い看板を見て歩くのも楽しい
花飾りが「菊」ってところがイカス

帰りは6時の列車の切符を予約してある。残された時間はたっぷりあるのに、肝心の店が開いていない。

どうしようか…と、リーフレット片手に悩んでいて「あっ」と思った。繁華街だけに目を向けるからイカンのだ。駅の周辺にあるホテルの飲食店には中休みがない。

街の中心部で一軒しか行けなかったのは心残りだが、仕方がない。結局、駅へと逆戻りすることになった。

やっとありつけた

やってきたのはホテルメッツにある「いかめしや烹鱗」。ウマそうな魚料理が山ほどあるのに、せんべい汁だけを頼む手はない。


当然のようにイカ刺しをオーダー。舌にねっちり絡みつくようなイカがウマイ!
ここのせんべい汁も大変にシンプル
この歯応え、なんと説明していいのやら

こちらも非常にあっさりとした薄味で、大根や白菜などの具が入っている。

うん、ここもせんべいの煮込まれ具合が絶妙だ。十分柔らかいが、溶けずにしっかりと箸で持ち上げることが出来る。歯で「うにゃ」っと噛みちぎるようにすると、汁がジュンと口の中に広がる。

…いやぁ面白いなぁ。こんなの食べたことない、とつくづく思う。

せんべいさえ用意できれば作るのは簡単だし、体があったまるし、この地方で約200年にわたって食べ続けられてきた理由が分かったような気がした。

 

続いて三軒目

同じように、具を煮込んだ中に炭水化物を投入する鍋料理に秋田のキリタンポがあるが、あちらはゴハンだ。三軒連続で食べるのはキツイだろうが、せんべい汁はまだまだ入る。

続いて入ったのは、到着直後に立ち寄ったユートリー内にある「レストラン・ユートリープラザ」だ。

こちらのせんべい汁は鍋仕立てになっている。自分で頃合いを見計らって、せんべいを食べなければならない。一気に難易度が上昇した。

自分の好きな柔らかさで食べられます
お、まだ硬いようだな
箸で持とうとしても、グズグズに溶ける
本当に上品なダシが出てました

それにしても、ここへ入ったのが三軒目でよかった。もし最初に入っていたら、煮え頃が分からずに苦労したことだろう。

鶏肉入りの醤油ベースの物が続いたため、ここでは「きんきん入り・塩味」を注文。今までの店が550円だったのに対し、きんきん入りは850円だ。家庭料理っぽかった前の2つに較べ、一気に「よそ行き料理」になった。

何度も中を覗いて様子を見るものの、やはり見た目だけで判断できるほど、せんべいは甘くなかった。「あ」と気が付いた時には、すっかり煮え過ぎていた。

…ガッカリだ。フタを取った状態で見張っていればよかった。先の二軒が、いかに絶妙なタイミングで客に供してくれていたかがよくわかる。

これまで食べたせんべいがアルデンテだったとしたら、これは茹ですぎで腰がすっかりなくなっている。あの不思議な食感を楽しむことが出来ない。

しかし、このダシと魚が非常にうまい。具はすっかりなくなったものの、スープがもったいなくて「ウドン入れたいなぁ」と思ってしまった。いや、この場合はやはりせんべいか。

つくづく「リベンジの為のせんべいを追加で下さい」と言いたくなった。ラーメンの「替え玉」ならぬ「替えせんべい」のシステムがあればなぁ、と思いながら、店を後に。

あ、そうだ、リベンジは家でやろう。


 

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