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フェティッシュの火曜日
 
−80℃で花やバナナを凍らせて

10年か20年かわからないくらい前、車のオイルのCMで、ひどく寒い中で凍らせたバラを握って砕き、バナナで釘を打っていた。いつ頃のものかも忘れたくせに、そのシーンは鮮明に覚えている。

すげえ! と思わなかった方はいるかい? 
見たことのない方は見てみたいと思わないかい?
そのCMは−40℃の環境だったらしい。

では、さらに低温の−80℃で、いろんなことをしてみましょう。

佐倉 美穂



こんな方法で−80℃

あなたの知っている非常に冷たいものは何だろう。
私にとっては液体窒素だ。何しろ−195.8 ℃という化け物だ。ああ、あれがあったらいろんな実験ができるだろうに。ティッシュを凍らせて手裏剣やキャッツカードのように投げて刺したりできるかもしれない。

しかし液体窒素は扱いが難しく、個人での入手もしにくい。
なので、別の方法でとっても簡単に超低温を作ってみよう。

その方法とはアルコールにドライアイスを入れるだけ。
ドライアイスは−80℃だが、それを入れてもアルコールは凍らないので、−80℃の液体ができるというわけだ。


材料入手

まずはアルコールを買いに薬局へ行ったのだが、消毒用エタノールしか置いてなかった。
なによ。
これじゃアルコール度数が低いのよ。
……「強いお酒友の会」で、すごい酒があったな。
そう思いつき、すぐさま酒屋へゴー。そして手に入れたスピリタス。アルコール分96度の、飲物とは思えないウォッカだ。


アルコールランプが作れるぜ

次はドライアイス。
これも簡単。お菓子屋でアイスを買えばいいのだ。
アイスを買い、ドライアイスをかなり多めに入れてくれと頼んだところ、店員のお姉さんに
「遠くからのお越しですか?」と聞かれた。
いえあの、実験に使いたいんです、と正直に言うと
「わかりました! 倉庫から大きいのを持って来ます!」
と二つ返事。

デイリーの味方はハンズだけじゃない、と実感した瞬間。
すぐに納得して持ってきてくれるお姉さんに感謝感謝だ。


出血大サービス

 

実験を始めます

ドライアイスに水をかけると白い煙が出てくる。それを防ぐ為に、なるべく温度差を無くそうとスピリタスを冷凍庫に入れておいたのだが、当然凍っていない。
酔って酒が足りなくなり、ビールやワインを早く冷やそうと冷凍庫に入れたまま忘れて凍らせ、翌日悲惨な状態になっていたことが何度もある。新品のワインのコルクが抜けていたことも。
やはりスピリタス、ただものではない。

実験の余りの、室温になったスピリタスを手に取って舐めてみた。
まず手に取るだけで冷たい。注射の前にエタノールで拭かれたような清涼感。
舐めてみると、飲んでいないのに喉が熱く舌がしびれ、鼻までツーンとした。
こんなの飲めるか。


くあーーーっ

ガラスの器にドライアイスを入れ、スピリタスを入れる。
当然ドライアイスは素手で触ってはいけない。ちょっと触っただけでも痛いよ。


冷気が漂っている
ドライアイスが気化して泡が出た

さて、ではいろいろと凍らせていこう。


 

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