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ちしきの金曜日
 
消えかかった赤

消え方について

消えかかった赤の鑑賞では、その消え方に着目するのも面白い。


消えかかって初めて分かる筆さばきの妙

職人が刷毛でレタリングした文字には、歳月とともにその技の妙が浮かび上がってくる。刷毛を動かした軌跡が塗りの厚みの違いで分かるようになってくるのだ。

同じ駐車場の看板でもこちらは印刷によるもの。

一方上は印刷によるもの。同じ「月極駐車場」の文字だが、消えかかり方の味わいは相当違う。風雨によってまだらではあるが、手書きのものに比べると均等に消えかかっているのがよく分かる。

お見せできないのが残念だが、同じ赤でも下部の電話番号だけはやけにはっきりと残っていた。今後の研究が待たれる。


こちらも手作り感あふれる消えかかりプレイ。元湯船とおぼしき素材選びと相まってなかなかに味わい深い。

やはり文字の縁取りからしっかりと描き始めたか。

 

消えかかり方という点でもっとも興味深かったのが下の作品である。

読めそうで読めない、読めなそうで読めそう。

通常文字を赤く書くところを、ここは逆転の発想。文字を白く残し、まわりを赤く塗った。結果、このていたらく。塗り面積の観点から行っても赤い地の看板に白ペンキで描いた方が良かったのではないか。

赤に比べ緑のペンキの堅牢さが際だつ、刷毛の跡もダイナミックな名作である。


 

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