私は太陽系が好きだ。いや、「オレはこの地球が好きなんだッ」という熱血な理由からでなく、各惑星の実体がいったいどうなっているのか、大気は、地表は、人は住めるのかなど、その謎が好きなのだ。
中でも火星が好きだ。2万5千メートル近くもあるオリンポス山。ジャガイモのような2つの変な月。それに、あいつにゃ「顔」がある。あの有名な「火星の顔」に見える岩だ。
あの顔でちょっと遊んでみることにしました。名づけて 「地球火星化計画」 だ。
(乙幡 啓子)
原型作りは例によって紙粘土
計画の第一歩は、あの顔を地球上に出現させることだ。よって、あの顔の型をとることから始めたい。
ネットで探した画像2つ。下写真、左が1976年にバイキング探査機が写した、解像度の低い写真。どうやら 「顔」 である。しかし下右写真は、マーズ・グローバル・サーベイヤが2001年に写した 「顔」。
最大解像度2mという高精度のカメラにより、火星人の建造物では?というファンタジーは吹っ飛んでしまった。
右のほうは、正確ではあるが、これではたぶん型を作ってもなんだかよくわからないことになりそうなので、左のキャッチーなビジュアルの彼にモデルをお願いした。
さて、まずは紙粘土で顔を作ろう。真夜中の図画工作さ。
乾くまでに3日かかった・・・。それはさておき。
よくよく考えてみるに、自分は学校の図画工作では、この 「彫塑」 的な授業が不得意だったのだ。
結局顔は四角いまま直せず。モデルとなった岩の、端正でどこか憂いを含んだ表情はどこかに行ってしまった。練習後の運動部員のようになってしまった。まあいい。これから型をとっていこう。