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はっけんの水曜日
 
七輪の七輪グランプリ

ブオーン!!ブオオーン!!(心のエギゾーストノート)
コースはなだらかで平らな30メートルほどの坂道

サーキットへようこそ

ここは男と七輪の世界。春の大風が吹きすさぶ東京湾望む勝負の場所。この日は特に強風で立ってるのも難しいほどでした。

だが、風なんかに負ける程度では七輪ライダーは名乗れません。七輪乗りの気概ってもんを見せてやる!七輪は早くも開口部全開。気合いが入ってきました。

それではコースの説明に続き、実際に走ってみましょう。偉そうに言ってみても乗るのは初めてなのでまずは練習から。


今回のコースはコチラ

グランプリのコースとして選んだのはこのなだらかな坂道です。ここを七輪で駆け抜けます。サーキットなんて言いながら直線で申し訳ありません。

周りには子供が数人。妙な七輪を持っているのを見つけると遠慮無く寄ってきました。

「ねー!!なにそれー!!」

「これか?走れる七輪だ、いいだろう」

「えー、なにそれー!!変!変な人!変な人!!変な人に話しかけちゃった!!」

時代の最先端を行く者は変人扱いされるものさ。見てろ、君らが大人になる頃には七輪グランプリを世界大会にしてやるから。

 

走行前にマシンと記念写真

乗り心地はかなり良い

乗ってみると、緩衝材のせいでかなりフワフワした乗り心地です。クラウンにも負けないんじゃないでしょうか?

そして、体重を預けても不安がありません。加重が七個の車輪に分散されるので強度も心配なさそうです。計算上は150kgまで耐えられます。多分。

 

テスト走行開始です

初めての七輪グランプリ。まずはテスト走行から始めます。走ってるシーンをGIFアニメにしてみました。マウスオンで動きます。


ひゃっほー!!スピードの向こう側へ!

これが大変に気持ちいい。思いの外しっかりと走れます。ただ、前後のバランスが異常に取りにくいのです。そりゃそうだ、シャーシが円形で重心が高いんだから。

スピードを上げると後ろに、緩まると前に、前後にせわしなくバランスが変わります。こいつはとんだじゃじゃ馬だぜ。しかし、じゃじゃ馬を乗りこなしてこその七輪ライダー。

テスト走行で大体判ったのでグランプリ決勝を行います。

 

この背中を寂しいと思うかは、君次第だ

ところで、エントリー台数は?

ここまで読んで気になっている方もいらっしゃるでしょう。「グランプリ」を名乗るのだから、「さぞ沢山のマシンがエントリーしてるんじゃないか?」と。

残念ながら、否、である。

1年前に七輪グランプリ構想をぶち上げた際、「おー、いいねー、やろうやろう」という話は出たのだけど、実際に追従してくる人はいませんでした。

エントリーは1台。つまり僕だけ。

こうなったら初代七輪グランプリ優勝者の栄冠を勝ち取ってやる!芸能人運動会でも出来ないほどの、剛胆かつ究極の出来レース。

いよいよスタートです。

 

グランプリ決勝です

たった一人のグランプリ決勝。コースの上から勢いよく走ってくるのが、我らが七輪マシン一号機。ドライバーは僕、松本圭司。

カメラの都合で音声がありませんから、職場でも音声を気にせずムービーをお楽しみください。


> みてみる <

ブロードバンド | ナローバンド


サーキットを駆け抜ける一陣の、風!

気分はミハエル・シューマッハ

クワッ!優勝は見えた

右手は七輪前部、左手は七輪後部をガッチリホールド。足は地面を捉えてスピードを増す。坂道でスピードは更に乗り、気分はさながらミハエル・シューマッハ。

うはははは!!誰もオレの前は走らせないぜぇー!!
(※走ってるのは僕だけです)

グランプリは最高潮、マシンは更に勢いを増します。

 

マシンクラッシュの瞬間
マシンは大破

ギャー!!クラッシュ!

快調に飛ばすマシン、あまりの気持ちよさに思わずアクセル、いや、地面を強く踏み込んでしまいました。カメラの前を通るときにスピードを上げたかったという心理もありました。そう、原因は僕のメンタル面。

決してマシンのせいではありません。

全部僕が悪いんです。周りで応援していた子供たちも心配して駆け寄ってきました。だ、大丈夫、怪我はないから。

しかし彼らの関心は主に欠けたパーツ。「これはここだよ!!」なんて言いながら破片を元に戻そうとしています。

そっちかよ!と思いながらも、マシンを気遣うすばらしいメカニックぶり。世界七輪グランプリ開催の暁には、是非チームマツモトでメカニックをやってくれよな!!よろしく!


七輪のマシン生命を尊重

七輪グランプリ、唯一のエントリー車は大破。これ以上は危険とみなし、リタイアとします。今回は残念ながら優勝者無しという結果に終わりました。

大分欠けてしまった七輪。新品で美しかったあの姿からはほど遠くなってしまいました。ああ、ごめんよ七輪。今度はちゃんと肉を焼くからね。

第一回七輪グランプリ、これにて閉幕です。ありがとうございました。


ビール、肉1.2kg、ご飯、などなど

焼き肉はやはり七輪です

グランプリ開催の祝賀会として七輪で焼き肉をしました。ここまで酷使した七輪にも肉の脂を味わってもらいましょうよ。

マッチ一本で火が着くという便利な炭に着火してしばし待ちます。風が強くて何度も火が消えましたが、どうにか炭に火が着きました。この日のためにネットショップで買っておいた豚トロやハラミをジュージューと焼いていきます。

これが、美味い。やはり七輪は肉を焼くのに最適でした。炭は燃えても水分が出ませんから、焼かれた肉はうま味が濃縮されていました。ガスで焼くよりしまった味になります。噛みしめるとしみ出す肉汁、うまい汁。ジューシー。

ああ、七輪の焼き肉は最高だ。しかも屋外で海を望みながら。問題は、帽子はもちろん、肉まで吹っ飛ぶほどの強風なんですが。流石浦安、風の街。

あまりに風が強いので、焼き肉は30分ほどで中断して撤収することになりました。でも美味しかった。

ごちそうさまでした、七輪。

景気良く炎上する七輪マシン
東京湾を眺めながら焼き肉

世界七輪グランプリ開催を目指して

出来レースのはずなのに残念な結果に終わってしまった七輪グランプリでしたが、マシンの乗り心地、性能などは予想以上でした。後部バンパーの設置などまだまだ改良の余地はありますが、これならば世界を狙えると思います。

世界七輪グランプリの目指して、レースクィーンなども導入しながら七輪グランプリを広めていこうと思います。

ライドオン!七輪!!

ギャラリーもいたよ

 

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