貧乏パーマとは

三つ編みして、寝る。そうすると翌朝編んだ部分がウェーブのようになる。これが貧乏パーマだ。私が小学校の高学年の頃はやって、女子はこぞって髪をのばして貧乏パーマをやっていた。

寝ている間に髪にクセを付けるという意味では貧乏パーマにも色々あるわけだが（頭のなかで描くtheおばさんが、寝まき姿で頭にカーラーを巻いているアレも、いってみりゃ貧乏パーマの一種だし、火曜ライター乙幡さんはむかし三つ編みではなく、髪を縦ロールにしてアルミホイルで包んで寝て、翌朝巻き髪を作っていたそうだ）、今回は“三つ編みをして寝る”というスタンダードな貧乏パーマに焦点をあてていきたい。

まずは自力でやってみます

貧乏パーマというひどい名前だけあって、ぶちゃけ、仕上がりは美容院でかけるパーマとはだいぶ違い、そのままだが、チープ感いっぱいのヘアスタイルになる。

今回は美容師の方にお願いし、プロによる貧乏パーマなら、ちゃんとあか抜けるのかをレポートするが、その前にまず昔を思い出して自力でやってみることにした。あのチープなパーマが再現されるかどうか。

貧乏パーマの手順

１・乾かした髪の毛にまんべんなくケープを吹き付ける

２・髪の毛を二つに分けて、きつめに三つ編みする

３・寝る
４・朝、三つ編みをほぐす、以上

むかし貧乏パーマを仕込んで寝たときは翌朝が楽しみでわくわくしたものだ。今回は割合におっかなびっくりだったわけだが、朝、三つ編みをほどいてどうなっておりますか。

ざん。

……。なんというか、“チープなソバージュ”というthe貧乏パーマうんぬん以前のしあがりになってしまった。コントで雷に打たれた人か。しかも、頭の上の部分なんか全体にぺちゃんこだ。

でも、思い出してみれば私の小学校のころの貧乏パーマはこんなもんだった気もする。クラスのおしゃれな子はもっと上手に貧乏パーマをかけていたものだ。何かコツがあったんだろうか。15年以上の時を経て、今、クールな貧乏パーマのかけかたを会得したい！

いよいよプロに聞く

「私やりますよ、今でもときどき貧乏パーマ」

貧乏パーマについて聞くなり美容師免許を持つ永井さんはそういったのだった。え、今もときどき？　マジか？！

永井さんはお父さん、お母さん、そしてお兄さんまでもが美容師という一家に育った。血にシャンプーが混じっているといってもいい。自らはファッションブランドのプレスでありながら美容師免許を持ち、撮影の際のスタイリングも担当している。頼りになりまくりの経歴の持ち主である。今回、大人もできる貧乏パーマを教えていただく。

なんでまたいきなりシャワーキャップをかぶっての登場かというのは、最後に明かすことにして（これも貧乏テクの一環なのです）、まずは本日の古賀の貧乏パーマを写真で確認してもらった。

「あ−、毛先だけ三つ編みにしても古賀さんの場合はダメですね。髪質がぺちゃっとしてモウリョウも少なめだから、根元からクセをつけて、サイドにボリュームを出さないと」
「モウリョウ？」
「あ、毛量。毛の量が少ないから。古賀さんは」

プロっぽい用語に期待もふくらむ。永井さんによると、今っぽい貧乏パーマにするには、根元からふんわりクセをつけるべきなんだそうだ。

プロによる貧乏パーマ、次ページから炸裂します！