話は2016年の年末にさかのぼる
【クリスマス限定企画】 ほぼ36時間限定!このツイートが10,000回リツイートされたらトナカイの肉風味つぶグミ作ります。 #つぶグミクリスマス #トナカイの肉風味 #クリスマスプレゼント #リツイート求む #つぶ組 #つぶグミhttps://t.co/MUxuXD5DPk
— つぶグミ official【春日井製菓】 (@tsubugumi_tw) 2016年12月24日
トナカイっていったいどんな味なんだ、と思い食べに行く記事を書いた。味の参考になればとトナカイ肉の缶詰を買ってきて春日井製菓にあげたりもした。
しかしTweetは1万いかなかった。
【結果報告】つぶグミクリスマス限定企画の結果はこちら!!https://t.co/Z9MbDgnoEE#つぶグミクリスマス#つぶ組 #つぶグミ
— つぶグミ official【春日井製菓】 (@tsubugumi_tw) 2016年12月26日
そう思っていたところ、春日井製菓のTweetが更新された。
【やります】
— つぶグミ official【春日井製菓】 (@tsubugumi_tw) 2016年12月26日
「10,000RTは達成できず
しかし盛り上げてくれた皆様にお礼がしたい、、」
協議の結果
\トナカイの肉風味つぶグミ/
作ります!!
詳細は近日!
【フォロー&RT外さず待っててね】#つぶグミクリスマス#つぶ組 #つぶグミ pic.twitter.com/7D1AbDsHGu
しかし待て、あのキャンペーンはなんだった、という話になるだろう。あわてて話を聞きに行った。
やっぱり作っちゃいました
うっすらと甘い匂いのする会議室で待っていると、商品開発部の田内さんがにこにこしながらやってきた。手には何か持っているがそれはまさか。
そう、トナカイ味のつぶグミだった。作っちゃったんですね。
田内さん「はい!作っちゃいました!」
――どうしてキャンペーンが失敗したのに作っちゃうんですか。
田内さん「正直いうと7000リツイートという数字にちょっぴりびびったんです…。」
キャンペーンの成功はツイートが1万回リツイートされることが条件だった。しかし結果は見ての通り約7000リツイートであえなく失敗。かわいそうである。
しかしかわいそうなのはトナカイ味のグミを期待してせっせとキャンペーンに参加した7000のみなさんも同じこと。これが70くらいだったら「絶対作りません!」とキレてもいいと思うのだけれど、中途半端にというか予想以上に拡散して7000までリツイートされてしまった以上、引くに引けなくなったわけだ。
その気持、わからんでもない。
そういうわけで春日井製菓は本当にトナカイ味のグミを開発してしまった。その開発現場を見せてもらった。
研究室に入った途端、さっきまでニコニコしていた田内さんはじめ商品開発部のメンバーが突然テキパキと動きはじめた。
「わたしこっちを予熱しておくから、田内さん◯◯を準備しておいて」
「◯◯の状態は?」
「すぐいけそうです。あ、いや、温度上がるまでもう少しかかりそうです。」
なんだこれは、おれたちは何を見せられるんだ。
どんな味でも作り出します
今さらっと書いたけどそんな魔法みたいなことができるのだろうか。
この作業を田内さんたちはトナカイ味に似るまで繰り返した。それが去年の年末から今にいたるまでのいちばんの思い出なのだとか。あまり聞かないタイプの青春である。
「いろんな意味で、やばい」
田内さん「やばい、と言われました。」
――やばい
田内さん「はい。いろんな意味でやばい、と。個性が強いので、大量に作るとなると通常の生産ラインにも影響が出る、と言われてしまって。」
生産ラインに影響が出るということは、通常のつぶグミにトナカイ味が混ざっちゃうということだろうか。それはいろんな意味で、まずい。
田内さん「だからこうして手作業で作るしかないんです」
もしかしたらこのトナカイ味のつぶグミ、田内さんの涙の味がするかもしれないな。
食べてみよう、トナカイ味
怖かったのでまずは同行していたスタッフの方にお願いした。
袋を開けたとたんに漂う、肉というか、正直これまで経験したことのないにおい。くさいというわけではけっしてないのだけれど、いい香りかと言われたら、開発した田内さんがいなければ「そうでもない」と答えてしまうだろう。察してほしい、この最大限配慮した書き方を。
味はどうですか?
「うーん、そうきたかー、っていう味ですね。」
なんだその何も言っていないコメントは。でも仕方がない、そもそもこの人たちはトナカイを食べたことがないのだ。
この中でトナカイ肉の味をいちばん知っているのは前回の取材を経験している僕である。
責任をもって、いただきます。
味はどうだろう。
「そうきたかー、という味ですね」
そういえば年末に食べたトナカイ肉のローストにはジャムのような甘いソースがかかっていた。本場北欧ではトナカイ肉に果実のジャムを添えて食べるのが一般的らしいのだが、それを再現したのだろう。さすがよく研究している。
面白かったのでいろんな人に食べてもらって感想を聞いた。
みんなにもこの味、食べてもらいたい
インドの人にはどうか
そんなラジャさんに説明なしに食べてもらった。
――これはトナカイ(raindeer)の肉味です
ラジャさん「トナカイ。食べたことないからわかんないな。でもね、キライじゃないよ」
キライじゃないといいつつラジャさん、ちょっと気を使っているような感じも見受けられた。インドにもグミはあるけど、もっとわかりやすく甘い味が人気なのだとか。トナカイ味のつぶグミは甘さは控えめなので少し物足りなかったのかもしれない。
日本人にはどうか
・カップ麺に入ってる肉みたい
・大豆?にしては動物的なにおいがする
・ラム肉、ジンギスカンじゃないかな
・いや待てよ、噛んでみると甘いな
・トロピカルフルーツ?ブドウとか
・最初果物っぽいけど、味わうとなんか違う
・何かの旨みだけを凝縮したみたいな味がする
・ポテチ?
やはり果物とかぶどう、という意見が多かった。僕も味はブドウが近いと思ったのだけれど、なにしろにおいが決定的に違う。オレンジジュースとアップルジュースは鼻をつまんで飲むと違いがわからないとか言うだろう。そのくらいにおいは味に影響を与えるのだ。
その重要なにおいを、春日井製菓はトナカイに寄せてきた。そんなのわかるわけがない。
「これ、実はトナカイ味なんです」
おもしろ味、とでも言おうか
いうなれば「おもしろ味」。いま残ったトナカイ味のつぶグミを食べながら、やっぱわかんねーなー、と思いつつこれを書いています。
なんとプレゼントしちゃいます
※トナカイ味のつぶグミはクリスマスキャンペーンでRTしてくれたみなさんの中から100名にプレゼントします。