始まりは思いつき
カロリーメイトは大好きなので望むところである。さてどうするか。
いろいろ考えた挙句、プロレス技にすることにした。
いまかなり説明を省いたことは自覚している。なぜわざわざカロリーメイトをプロレス技に、と聞かれても、もはや自分でも説明できない。ただ、よかれと思ったから、それだけである。
この思いつきがこの後たいへんなことになるのだけれど、最後にはいい技ができるので順を追って見ていってほしい。
Twitterに助けられる
そういうわけで今僕はプロレスのリングに向かっている。
素人の考える「カロリーメイト プレーン」
ちなみに僕はこんな感じのを思い描いていた。
次のページでレスラーが出てきます。
生レスラーの威圧感
僕のTwitterに返信をくれたのは高木社長ご本人であった。えらいこっちゃ。
まず宮武選手にカロリーメイトの思い出についてお聞きした。
宮武選手:「カロリーメイトは試合の直前に食べたりしますね。前日まではステーキとかをガンガン食べるんですが、当日はあまり食べ過ぎると吐くので。」
宮武選手は体を作るために、普通の食事に加えて卵を8個食べると言っていた。卵ってそんな食べて大丈夫なのだろうか。
宮武選手:「ええ、スクランブルエッグにして一気に食べます。それを日に4食。」
32個だった。一人で鶏を絶滅させそうな勢いである。
高木社長はプロフィールを見ると僕と身長がほぼ同じなのだけれど、体重が倍くらいある。たぶん僕あと一人分は全部筋肉なのだろう。考えてもみてほしい、僕たちがTシャツにトランクスで出てきたら写せないが、この人たちはこれで十分かっこいいのだ。ただごとではないぞ。
高木社長は前日の福岡興行を終え、羽田から直行してもらっている。
どうですか。
高木社長:「プレーンって感じですね。」
そうですね、プレーン味って書いてあるので。他にどうですか。
高木社長:「基本ができてる感じがしますね。普通に美味しいからこれなら袋むいたらちょっとした来客にも出せそうですよ。ほら、紅茶なんかに添えたりしてさ。生ハムでも巻いたらパーティーもいけるな。」
少し話してみてわかったのだけれど、この二人は面白い。
プロレス技の作り方
通常、プロレスラーが必殺技を考えるときはどうやっているんですか、と聞いたところ高木社長は「海外のプロレスDVDとかを見て、できそうな技をパクる。」と言っていた。あとAKBとかエグザイルとか、流行りのものを研究して使えそうな要素は積極的に取り入れていくのだとか。
本当かどうかはわからないけれど、この二人と話しているとどんどんプロレスが好きになっていく。
はやくも技の原型ができた
エアプレーンスピンというのはざっと説明するとこうだ。
そんな派手な技だが、このエアプレーンスピンにも欠点が一つだけあった。
しかしここから僕たちは本物のプロレスラーの凄さを目の当たりにすることになる。
綿密に技の細部を詰めていく
高木社長:「おいしさを技で表現するのは難しいから名前でイメージさせた方がいいと思うんですよね。カロリーかなー、いや、プレーンだよなー。」
確かに技が決まった時「おいしそう」と思うプロレスなんて見たことない。プロレスというかスポーツ全般においてそんなのない。
高木社長いわく、日本のプロレスは先進的で世界的に見てもかなりハイレベルなのだとか。それゆえ日本の選手が考え出した技なんかも、ネット経由ですぐに動画が共有されて次の週にはアメリカのレスラーが使っていたりするらしい。
高木社長:「歌とかだとすぐにパクった、とか言われますけどね、プロレスは逆に真似されるとちょっとうれしい、ってところもあります。あとはそこからいかにオリジナリティを足して、そして使い続けていくかだと思うんです。」
技を真似させてもらった本人に会ったら素直に謝る、と言っていた。
いよいよ新技のリングデビュー
おおよその手ごたえをつかんだ社長と宮武選手がリングに上がって行った。僕がリングと一緒に写ると合成写真っぽかったが、さすがこの二人は栄える。
手始めに高木社長の得意技である「シットダウンひまわりボム」を披露してもらった。名前を聞いてもまったくイメージがつかないところに、我らがカロリーメイト プレーンにも技になれる余地を見る。
宮武選手を高々と肩車で持ち上げる社長、そして次の瞬間、リングの外にいた僕たちにも風圧が伝わるくらいの勢いで社長の必殺技が決まった。
次はいよいよ新技「カロリーメイト プレーン」の披露である。
新技「カロリーメイト プレーン」完成
これはいろんな意味で歴史的な瞬間だと思う。カロリーメイトにとっても世界のプロレス好きにとっても。
エアプレーンスピンかと思いきや、複雑なやり方で両手をがっちりと固めた。宮武選手がうめく。
まずこの腕をきめながら相手選手を持ち上げた状態、これがプレーンの頭文字「P」に見えるというのだ。
見える。見えます!見えます!
高木社長、さすがは文化系レスラーと呼ばれているだけのことはある。きっちりプレーンの頭文字をビジュアルに取り込んできた。
このままぐるぐる回す様子は動画でお楽しみください。
高木社長:「ぐるぐる回してそのまま投げ飛ばしてしまうとちょっと暴力的じゃないですか。カロリーメイトの平和なイメージに合わせるため、回した後は相手をそっと置きます。」
担いだ相手をPの字に固め、そのまま回転、目が回ったところでそっと置く。そんなプロレス技、これまでにあっただろうか。これこそが新しい必殺技「カロリーメイト プレーン」である。
体験しよう、カロリーメイト プレーン
リング上の空気を一変させる技それが「カロリーメイト プレーン」
体験してみてわかったことがある、この技、かけられると楽しい。相手を痛めつけられる技ではない、しかしリング上の空気を一気に和ませることができる、そんな技である。
それがカロリーメイト プレーンのコンセプトに合っているのかどうかはこの際知らないが、なにしろ無事一つのプロレス技が開発されたことは事実である。
試合で見られるかもしれません
高木社長に「この技、いつか試合で使ってください。」とお願いしたところ
「じゃあちょうど明日試合だから使いますよ。」と安請け合いしかけて宮武選手に止められていた。「社長、明日はやばいです、ものすごい強い相手なので。」と。
技を体験したい人は高木社長にお願いするか、カロリーメイト プレーンを食べながら目を閉じてその場でぐるぐる回ってみてください。 この技がいかに優しい味のカロリーメイト プレーンをうまく表現しているかわかってもらえると思います。
取材協力:DDTプロレスリング
【さいたまスーパーDDT 2015】開催。出るか!必殺技「カロリーメイト プレーン」。