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土曜ワイド工場
 
「高速道路に架かる橋」を鑑賞する

■上から見た高速道路に架かる橋


こんな感じ。上から見るとまた別の雰囲気がある。



そうか、この手の橋にはフェンスがあったか。
前述したように、高速道路に架かる橋はまとまって存在することが分かった。なので、そのひとつにあがって隣の橋を撮ることが可能だ。ただし、橋に到達するまでの道がけっこうややこしい。

高速道路は周辺地域の町並みを豪快に無視してレイアウトされていることが多いので、それをまたぐための橋にたどり着く経路がぐちゃぐちゃなのだ。細かい道をぐねぐねとたどっていった先に唐突に高速道路が横たわる。まったく別の世界、という感じがする。

そして撮影上最大の問題は、普通の橋に比べてフェンスが高いことだ。


フェンスを越えるわけにはいかないので隙間から狙ってみるが。



こんなになっちゃう。うーん。
そういえば鉄道をまたぐ橋のフェンスも高い。物が投げ込まれた場合、これらの橋では下で事故が発生してしまう点で川にかかる橋とはシビアさが違う。警戒も厳重になろうというものだ。しかし、高速道路横断橋鑑賞家にとっては迷惑千万。心無い輩の行動が鑑賞家の自由を奪う。それが今の日本なのだとつくづく思う。

一度はみんな街の建造物の鑑賞家になってみるべきだ。そうしたら治安とかよくなるんじゃないかな。たぶん。きっと。


しょうがないのでカメラをフェンスの上に掲げて撮る。


フェンスをよじ登るわけにもいかないので、フェンスの上にカメラを掲げて、ファインダーを覗かずにあてずっぽうで撮る。自分の背が低いことをこういう場面で嘆くことがよくある。本来この手のことについて悩むべき思春期にはあまり悩まなかったのに。


そんなこんなで撮れたのはこんな写真。やっぱり素敵だ「高速道路に架かる橋」。




この周辺の橋はみなこのタイプ。工業的な雰囲気を色濃く漂わせる名作。




逆光に映える橋。素敵だ。



■日常と非日常が交差する場所


いかにも工業的な橋素材とその向こうに見えるのどかな日常。


ところで橋に上がってみて実感したのは、前述したように高速道路がいかに周りの環境を無視して強引に走っているかということだ。このとき訪問した橋の周りもちょっと前までは田園風景広がっていたと予想される、元農家を思わせる立派な垣根を持った大きな家が点在していた。

この高速道路の「強引に割り込んだ異物感」が素敵だ。広大な田んぼの中に唐突に立っている高圧電線の鉄塔と同じちぐはぐ感。ぐっとくる。


高速道路をまたぐ橋には似つかわしくない「地元」的名前。


橋の名前を見てもここがもともとのどかな田畑が広がる場所であったことがうかがえる。工業土木感満載の橋にはおよそ似つかわしくないネーミングである。

つまり、高速道路に架かる橋は、そういう「異物」の上空にかかる「日常と非日常が交差する場所」なのだ。なんかいますごくいいこと言ったんじゃないか、ぼく。


高速道路脇に沿って設置されている防音壁。錆び方といい、異物感満載だ。




高速道路のためのランプ。橋から見上げるとその大きさに驚く。


ひょこり顔を出した高速道路用ランプも、「日常」たる橋の上から見るとその逸脱したスケール感にぐっとくる。


味わい深い痴漢とその被害者たち。監視カメラの目も光る。橋鑑賞は監視の対象に入らないことを祈りたい。


そして、こういう工業的環境になるとなぜか痴漢などが発生するのだ。ぼくはずっと準工業地域で育ってきたのでよく分かるのだが、倉庫が立ち並ぶ場所や高架下などにこのような痴漢への警戒を呼びかける看板は多い。

確かにぼくもインダストリアルな環境にはムラムラするが、それは痴漢の方向へは結びつかない。

■あらゆる高速道路に架かる橋を撮りに旅に出たい

錆びた高速道路の防音壁と団地。ザ・郊外。すてき。
高速道路に架かる橋の魅力をお伝えしようとした今回の記事。冒頭で「ぐっと春めいてきたここのところの陽気に誘われて」と書いたが、暖かくなるとちょっとおかしな人が現れるというのはつまりこういうことかとも思う。気をつけよう。



 

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