今年の夏も、琵琶湖で鳥人間コンテストが行われた。
テレビの放送を見ていると、せっかく作った人力飛行機が、離陸直後に壊れてしまったりするものもあるなか、チームによっては琵琶湖の対岸まで到達しまうような機体もある。
自分の力で空を飛びたいと思うことは誰でも一度はあると思う。
でもそのために毎年飛行機を製作する鳥人間コンテストの出場チームの方々は、いったいどんな情熱を持った人の集まりなんだろう。
機体製作の現場にお邪魔しました。
(text by 三土たつお)
早稲田大学の鳥人間チームを取材させていただきました
鳥人間コンテストの出場チームには、大学生のチームが多い。
今回はその中から、早稲田大学の宇宙航空研究会(略称WASA)に取材をさせて頂くことができた。
どうぞよろしくお願いします。
チームのリーダーはこの二人
突然お邪魔したぼくを快く受け入れてくれたのは、チーフ(チームのリーダー)の長島さんだった。
長島さんが他のメンバーにこの取材の申し込みのことを伝えたところ、機体の設計を行っている鈴木さんがデイリーポータルZを読んでくださっていたこともあり、取材をさせていただけることになったのだった。
なんという偶然。本当にありがとうございます。
機体設計者の鈴木太郎君。同じく機械工学科3年生。
さっそく機体製作の現場を拝見
というわけで、実際に作業をされる夜に改めてお伺いし、実際の人力飛行機の製作の現場を見学させて頂いた。
中にはバラバラの羽(主翼)など、機体のすべての部品が保管されている。
まずは設計のやり方を
飛行機を作るためには、その設計図を書かなければいけない。
取材に訪れたのは、鳥人間コンテスト開催の一ヶ月前だったため、設計作業なぞはとうの昔に終わっていたのだけど、鈴木さんにお願いして、設計作業の雰囲気を再現していただいた。
こちらはエクセルの画面。設計どおりの機体の強度が得られるかどうか、エクセルや有限要素法のプログラムでシミュレーションするらしい。なんのことやら。
次はフレーム
飛行機の骨格は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)とよばれる、軽くて丈夫なプラスチックで作られている。
これを望む形に加工するため、グラインダーという機械を使って削っていくのだけど、その際に粉末が大量に飛んでしまうため、目や口や鼻をガードする必要があるらしい。
ただ、ガラスを削っている乙幡さんの姿の方が厳重な装備に見えてしまうのは私だけでしょうか・・。
作業が終わると手ははげしく真っ黒になる。
そして計測機器も作る
人力飛行機の製作には、材料や力学の知識のほかに、電気のノウハウも必要になる。
今回の機体は、操縦と計測を電気的に制御しているとのこと。この日は、高度計や速度計などの液晶の表示部分の電子回路を作成していた。
こういう液晶の表示部分を作っていたのでした。
いよいよ飛ぶところを見てみよう
製作にかかわるパーツはぜんぜんこんなものでは足りないのだけれど、一足飛びに実際に飛行機が飛ぶところを見学させていただくことにしよう(取材させていただいた各パーツのみなさん、申し訳ありません)。