豆の買い出し

ハトのためにアメ横まで買い出しにきた。アメ横には豆専門店があるのだ。

カシューナッツやピスタチオ、落花生など美味しそうな豆が売られている。マカダミアンナッツなんて見たことないだろうな、松の実も喜ぶかもしれないぞ。知人へのおみやげを選んでるみたいな気分になる。ただ、相手はハトだ。知人じゃない。

ハトがどれを食べるかなんて全くわからない。面倒なのでお店の女性に聞いてみた。

「ハトにあげようと思ってるんですけど、どれがいいですかね。」
「ハト？ハトは何でも食べるけど、これなんていいんじゃない？」

と言って指差したのは皮なしの落花生。皮はないほうがいいそうだ。別の男性店員にも聞いてくれている

「ハトだったらこれだ」

指さしたのは皮付きの落花生。さっきと真逆の意見。要はどっちでもいいのだと思う。

あとは煎り大豆もおすすめだそうだ。ハトには。

「ハトにやるための豆なんてねえよ！」と怒られるかと思ったら意外にのりのりだった。豆を売る以上、ハトを意識せずにはいられないのかもしれない。