新郎の知り合いということで
とはいえ、知らない人の結婚式の二次会に入るのは緊張する。つまみ出されたらどうしよう、考えは暗いほうに加速する。「新郎のり合いの林と申しますが…」と受付で言うせりふを練習して会場へ。
僕:「あのー、わたくし…」
受付の女性:「こちらに名前を書いてください」
いいわけをする必要もなく、あっさり入場できた。来場者リストもなかった。よかった。
受付はメッセージカードになっていたので祝福の言葉を記入。おめでとう。知らない人。イラストもつけておいたよ。
別にただ食い企画ではないのでちゃんと会費8500円を払いました。
心細いな…
会が始まるまでしばし待つ。当然のごとく、ひとりだ。ときどき、「あいつ、誰だっけ?」という感じで見る人がいる。新郎の知人は新婦の知人だと思い、新婦の知人は新郎の知人だと思っているだろう。でも正解は他人。どちらでもない。善意の第三者だ。
こういうパーティーの場でひとり、というのはいつものことなのだが(知り合いがいても)、ひまだ。ここで気持ちが閉じてしまうとなじむことができない。開いていかないと!気持ちを開いて。
「あー、あー、あー」
ひとりで声を出して気合いを入れる。よしゃ。なじむぞ。
ここで緊急事態発生。新郎が一次会で飲み過ぎてダウンして遅れるという。新婦だけ入場。大丈夫だろうか。知らない人。
恩師の挨拶の乾杯で宴ははじまった。
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