●ダメな大人になってしまった自分
実際に持ってみるとこんな感じだ。やっぱり実際に手にした感触がその大きさを一番よく実感できる。
近所の子供に声をかけて見せびらかしたい気持ちも湧いてくる。きっと友達をどんどん呼ばれて大変なことになるだろう。いや、逆におかしな大人にひくというリアクションもありえるだろうか。
いずれにしても、彼らがあとから親に話した場合の気まずさを考え、人目をはばかってわりばし鉄砲を構えてみる。
それにしても気になるのは、しなっとした感じ。銃身が全体的にゆるくカーブを描いているのがわかるだろうか。実のところ、持っていてもなんとなく強度的に心もとない。
輪ゴムをつなげて作った弾を装填。……あー、ずいぶん銃身が反り上がってしまった。
やはりガムテープで巻いただけという安易な接続法が裏目に出たのだろうか。いや、裏目に出るもなにも、うっすら予感していた結果になってしまったと言った方が正直だろうか。
それでも無理やり飛ばしてみよう。すっかりよれよれになってしまった銃身になんとか輪ゴムをセットして、引き金を引いてみる。写真は飛ぶ直前の状態だ。
大人には、無理とわかっていてもやらなくてはならない時もある。いざ、ファイヤー。
より正確な感覚で言葉を選ぶなら、落ちるという感じだろうか。予想以上のみじめな気持ち。設計段階でのやっつけ仕事が、こうして結果にも如実に現れたといったところだろうか。
すでに社会に出ている大人なら、それぞれの経験を振り返って、同じような苦い思い出が一つや二つよみがえるだろう。
いや、飛距離が出なかったのは弾として使った輪ゴムが力不足だったからではないだろうか。そう思ってゴム弾を短めにしたものをやはり無理やり装填してみた。
その結果がこれだ。完全に壊れた。真実を見ようとせず、強引に丸めこもうとするからだ。
童心にかえろうとしたのはいいが、すっかりダメな大人になってしまったとしか言いようがない。こんな悲惨な結果になってしまったことを、子供の頃の自分に謝りたい。
しかし、無駄なことにむきになりたくなるのもまた大人。再び材料を調達するところからやり直して、大人の本気第2章に挑みたい。