デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


ロマンの木曜日
 
タクシー運転手の行きつけ 〜ソウル編〜

模範タクシーの運転手さん
ソンブッドン地区の「オーパクサーとんかつ」

夕飯は模範タクシーに乗って

夕方になり、再び明洞のホテル近辺からタクシーを拾う。最後はちょっと豪華に模範タクシーで案内してもらう事にした。

「アジョン・ガ・チャル・カヌン・カゲエ・カゴ・シッポョ」
(おじさんが良く行くお店に行きたいです)

「わたし、日本語わかりますね、1年だけ、勉強しました」

青木さんの韓国語を遮るように、日本語を話す運転手さん。
後から知ったのだが、模範タクシーは主に観光客を相手にしているので、英語や日本語を使う運転手さんが多いのだ。

とはいえ、今回の主旨をすべて日本語で理解してもらうのはやはり難しく、再び韓国語で説明してもらい、運転手さんたちが良く行くというとんかつ屋さんに連れてってもらう事になった。運転手さんたちの間で「安くておいしい」と話題になり、最近では一般のお客さんも沢山やって来るらしい。韓国でとんかつを食べる事になるとは思ってもみなかったが、さすがは模範タクシー。期待出来そうだ。


日曜日は家族連れで賑わう どかーん!とんかつ、白身魚フライ、ハンバーグのセット。6500ウォン

席に着いて5分ほどで料理が出て来た。青木さんの顔より大きいとんかつと白身魚フライ、ハンバーグが添えられてスープとキムチも付いてくる。コーヒーは無料だし、ライスはおかわり自由。安くてボリュームがあって、ちゃんとおいしい。

これぞタクシー運転手さんの行きつけに相応しいお店と言えるが……



何故か運転手さんが僕たちと一緒にとんかつを食べている。
どうしてこういう流れになったのか分らない。

とんかつを食べ終わると……

「ほんとうのキムチを教えてあげます」

と言われ、キムチを売っているお土産屋さんに行く事になっていた。
民家の様なところで本場のキムチを売っていて、観光客は滅多に行かない場所らしい。



断る隙を与えない絶妙なトークに負けて、僕と青木さんはお土産屋さんに向かっている。

「8時までなので、いそぎます」

と、車は車線変更を繰り返しスピードを上げていく。
いや、僕たちは急いでないから、出来れば安全運転で……。


で、薄暗い路地で車は停まり 何だか怪しい事務所に入れと言う
中に入ると民家ってよりも明らかに貿易関係の事務所で 思いっきり日本語の案内が出ていた

バランスの悪いパイプ椅子に座らされ、事務机の上に無造作に置かれたキムチと海苔を試食している僕と青木さん。

目の前には、カタコトなのに無理矢理早口でしゃべるもんだから言ってる事が良く分らないオジサンが……



何故かずっと怒り口調で、僕にキムチを買えと言っている。



 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.