知人の同僚、宮城さん
宮城さんは知人の同僚だ。なんどか一緒に飲んだこともある。3人で飲んでるときはふつうに会話をしているが、知人がトイレに行ってしまうと二人して黙り込んでしまう。そんな関係だ。
今回は宮城さんと仲良くなるために千葉に出かけることにした。が、本気でふたりだとどうしようもなく気まずくなってしまうかもしれないので、僕と宮城さんをつなぐ知人、横山さんにも同行願った。
日曜日の朝、9時に東京駅に集合した。
とはいえ、日曜日の朝に男3人でみかん狩りである。いまはぎこちないが、夕方にはリュックいっぱいにみかんを詰めこんだフレンドリーな3人男になっているだろう。
特急で館山に向かう
林 「いやあ、どうですか。みかん狩り」
宮城さん 「僕はこうやって休みの日に出かけるというのが、生まれてはじめてかもしれません」
オーバーに気を使ってくれているような気がするが、そういってもらえて素直に嬉しい。
電車は快適なスピードで千葉に向かう。京浜工業地帯で巨大な水蒸気が見えた。
横山さん 「火事?」
宮城さん 「なんでしょうね。……あ、そういえば」
林 「なんですか?」
宮城さん 「僕がタレントになりそこねた話ってしましたっけ?」
僕 「いえ、聞いてないです」(そういえば、じゃないな…)
聞いてみると、宮城さんはテレビCMに出たことがあって、あのCMに出てるのは誰?ということでテレビにも出たことがあるそうだ。
宮城さん 「ストリートミュージシャンとして新橋の駅前で歌っているというCMでした」
林 「ストリートミュージシャンだったんですか?」
宮城さん 「いえ、先輩に頼まれて出たんです」
林 「どんな歌だったんですか?」
宮城さん 「携帯を売っていたヒットショップというお店で、歌詞は『♪ペット買うならペットショップー、携帯買うならヒットショップー』というものでした」
横山さん 「くだらねー」
僕もそう思ったが飲み込んでしまった。やっぱりああいうことが言えないと。
宮城さん 「CDデビューの話もあったんです、グループ名は 『ヒットショップボーイズ』 で(イギリスのミュージシャン ペットショップボーイズとかけている)」
林 「く、くだらないですね…」
宮城さん 「ええ。その会社が傾いてすべて話は流れました」
くだらない、と言ってみたが、くだらねー!みたいにあ勢いよく言わないと、本気で悪く言ってるようになってしまった。
館山到着
会話を引用したらやたら長くなってしまった。館山までに話したことは箇条書きにします。
・いすを回転させて3人座っていたので、残りのひとつの席の人がきたらどうしよう、どうしよう
・宮城さんの両親はすごく仲がいい
・今朝の朝ごはんがあんころ餅と柿2個だった。
・(そとに巨大な仏像が見えて)でかいものってかっこいいよね
・房総特急って暴走特急みたいでかっこいい
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