ヤキソバをよく食べる。3食入り198円の、野菜といっしょにいためて、粉末ソースを入れて仕上げる、安いやつ。冷蔵庫に常備してある。何しろカンタンだし、昼ごはんに最適だ。「いいとも」見ながら、もそもそ食べる。何も考えずに、口に運べるのがいい。
小さい頃から、ずっとその「3食パックヤキソバ」しか食べていない。
たまに「お祭り」や「海水浴」で食べるやつは、また別モノだ。家で作るものより、まずいけど、うまい。
生まれてからこれまで、何回食べたか分からないほど、大量に「ヤキソバ」を摂取している……のに、今まで「ヤキソバ」の味に関して、深く考えることはなかった。
「おいしいじゃん」ただ、そう思っていただけ。
だから、「ヤキソバが名物の町がある、しかも日本に3ケ所(秋田県横手市、静岡県富士宮市、群馬県太田市)もある」と知ったときは、驚きだった。
ヤキソバ? ヤキソバの味に、そんな違いがあるの?
今回はまず、東京から近い「太田市」に行ってみることにした。
(text by 大塚幸代)
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