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これはフォー(ベトナムの麺)。 |
すいません、まずは、ベトナムフェスとは関係ない話から、きいてください。
先週土曜日のこと。私は、パソコンのキイボードにお茶をこぼして、ぶっこわしました。
「うわああああああーーー!」
商売道具なので、泣きながら、すぐにビックカメラに行きました。マックなので、高いのしかありませんでした。仕方なく、純正品を買いました。
「ああ、大きな出費だあ……時間のロスだあ……うううう、くやしい。……あ、そういえば扇風機も壊れてて、欲しかったんだっけ」
家電売り場に寄ったら、980円という破格の扇風機を発見。つい買ってしまいました。もちろん、配送料がもったいないので、お持ち帰り。
重い荷物をひきずっての、帰り道、気持ちは暗いまま。
「……そうだ、『ときのは』、あそこの380円のクッキーが食べたら元気が出るはずだわ!」
私は途中下車して、中野は新井薬師にある、お気にいりのケーキの店「ときのは」まで、寄りました。
「ときのは」はちょっと不便なところにあって、駅から歩くと、けっこうな距離です。でも、どうしても食べたくて、テクテク歩いて行ったのです。
ショーケースをのぞくと、「食べたいけど、ワンホールは無理だなあ」と思って、買うのを断念していたバターケーキが、カットして売っているじゃありませんか。いつもはカットして売ってないのに。
色とりどりのクリームで作った小花の模様が、とっても可愛い。
「こ、これください!!」
私はヘーゼルナッツ入りのクッキーと、そのバターケーキを購入しました。
帰り道。「そうそう、このクッキーって、大島弓子の『ダイエット』っていうマンガのラストに出てくる、手づくりクッキーのイメージにぴったり合う、味なんだよねえ……」などと考えていたのですが、それから思考は別の方向にスライドして……また暗いことを悩みながら、歩いていたのです。
考え事をしたまま、スーパーで日常品を買いました。ダイコンや牛乳などが重いなあ、重すぎる、と思いながら、また帰り道の途中……。
「あっ」
大切なケーキとクッキーの紙袋を、スーパーの荷物をつめる台の上に、忘れてきちゃったじゃあ、ありませんか。
すぐ引き返しました。5分前のことだから、そのまま置いてあるだろう、と思って。
……紙袋は、ありませんでした。
店員さんにきいても、「そういう忘れ物は届いていません」と言われました。
わずかな時間の間に、躊躇なく、忘れ物のお菓子を、持ち去った人がいるんだ……。
自分のマヌケさにも腹が立ったし、持ていった人にも腹が立ったし、家でお菓子の代わりに焼いたホットケーキもまずくって、くやしくてくやしくて、くやしくてくやしくて、くやしくて夜眠れなかったのでした。
明けて翌日。なぜか体調が悪く、しかも天気は雨。でも友人と約束していたので、横浜で行われる「ベトナムフェス」に出かけたのです。
(text by 大塚幸代)
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