先日、実家に帰ったときに、使ってない部屋のタンスを、なんの気なしに開けてびっくり。
そこには、私が過去にためこんだ、ハギレたちが佃煮ようにあった。

今後、使うこともないだろう、このハギレ。
何とかしたい……そうだ、日ごろお世話になっている、デイリーポータル読者さんたちのために、パーッと縫いものでもしちゃおうかしら。

でも、技術がないから、枕カバーくらいしか作れない。
いいや、枕カバーを、どーんと大量に作成しよう！

……そんなわけで、私は実家で、ひとりミシン合宿（？）を実施しました。

も、もらってくれますか？

（text by 大塚幸代）

私はかつて、布を買うのが好きだった。
私の住む町のそばに「キンカ堂」という布屋があって、そこでメーター380円以下の布を買っては、直線縫いで出来るスカートやら何やら、作っていた。

……こんなエプロンドレスとか。

見るからにチャチいが、実際チャチで、作っただけで満足してしまって、ほとんど着たためしがなかった。

買っただけで、縫いもしなかった布もたくさんある。

こんな牛柄の布とか。……面白い、というだけで買って、あとはほったらかし。

もらった布もある。

青いだけの布。
「一体、何のために購入したんだっけか？」とよくよく考えてみて思い出したのだが、これ、高校生の運動会で使った応援の旗だ。
はしっこに、棒が入れられるように縫ってある。
「捨てるんだったら、ちょーだい！」と言って、もらってきたんだと思う。