「21g」という映画のポスターを見かけた。21グラム?それは人が死ぬとき失う重さ、つまり「魂」の重さといわれているものだそうで、そう聞いたときからなんとなく気になりだしたのだ。21グラム。
映画は観ていないので、想像を膨らませてみた。もし21グラムが本当に人間の魂の重量だったとして、それはいったいどんな重さなんだろう。実感してみたいと思った。
魂の存在の有無は別として、手当たり次第、量ってみた。
(text by 乙幡啓子)
ウーフは何でできてるの?
いや、いきなりこんな写真の大写しで申し訳ない。まず自分の好物を集めてみたが、こうして集めてみるとなんだか非常につつましいというか、おとなげないというか。
昔読んだ「くまの子ウーフ」という童話で、ウーフは「自分は何でできているのか」という問いかけを母クマに投げかけていた。そのときのひとつの答えが、「好きな食べ物」だった。そうだとして、私の場合は間違いなく上記のものでできているので、失う21gもここから出ているのだと思う。
崎陽軒のシュウマイは、帰省の折には必ず買って車内で食べている。1年に6回以上帰省しているので、15個入り×6=90個以上、1年で消費しているのだ。
量ったら、1個15gでほぼ統一されていた。いつも食べているものの向こうに人の手を感じる瞬間。
ハムカツは、うまい。子供のころから好きだった。そのころのハムカツはもっと薄い、ハムというかソーセージで、衣も紙のようだった。近所で買ったハムカツは、カマンベールチーズも入って衣も厚く、豪華である。1/4で21g。
ヤクルトの容器1gなので、一緒に量ってもほとんど影響なし。ヤクルト自体、あやふやな容量の飲料ではある。少ないと思って飲んでいると、意外と多かったりする。なので、21グラムは思っていたより少ない気がする。
サッポロ一番みそラーメン。うっかり5分煮込んでしまったので少々水を吸ってしまったからか、一口にも満たないとは。ハムカツと比べると意外な感がある。