ダムのためにバス1台チャーターだ
今回のツアーを企画したのは、ダムサイトの管理人の岸利透さん。ホームページ上で参加者を募り、定員27人が満員となった。そのうち半分は募集開始から3日ほどで埋まったというからすごい。ダム愛好家は確実に存在するのだ。
バスは新宿を出発し、1日で群馬県の3ヶ所のダムをまわって夜に新宿に戻ってくる。
バスのなかでは岸利さん手作りのダムツアーのレジュメが配られた。
「きのうの夜、作ってたら面白くなってしまって長くなってしまいました」
との言葉通りの力作。ダムの分類やダムの設備についてわかりやすくまとめられている。
・正統派異端系、中空重力式コンクリートダム
・「気は優しくて力持ち」なゾーン型ロックフィルダム
・プロの目も欺く擬態能力を有するアースダム一族
など、いちいちダムのタイプにキャッチコピーをつけているところにダムに対する愛を感じる。岸利さん、真顔で面白いことを言うタイプの人である。
「気づくとダムに行っていた」
最初のダムに到着するまで、岸利さんに聞いてみた。
−なんでダムなんですか?
「単純にかっこいいからですね。逆になんでダムの人気がないんだろう?って思います」
−きっかけは?
「車の免許を取って、気づくとダムに行っていたんですよね…。」
−ひとりで?
「最初は友達がいたんですが、じょじょにひとりになりました。」
あああ。よくわかります。岸利さんはツアー参加者とダム談義をしたあと、「ダムの話ができる日が来るとは…」とつぶやいたのが感慨深げだった。
さあ、次ページからダムの魅力に迫ります。
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