いきなり全国大会に
「本日、5人目のパーフェクトが出ました!○○番レーン、○○番、○山○治さーん!」
大会の進行役の声が鳴り響いた。会場の人々がハタハタと拍手をする。パーフェクト、とは、的の真ん中の7点エリアに、5本全部命中することである。観客席から、「一度は(自分の名前を)呼ばれてみたいもんだねえ」と声がもれる。
いきなり始めて恐縮だが、今日はここ夢の島の東京スポーツ文化館で、日本スポーツ吹矢協会主催「第7回スポーツ吹矢全国大会」が開かれているというのでお邪魔したのだ。(※協会では「吹矢」と表記していますが、ここれは便宜上「吹き矢」で統一します)
もっとこじんまりした大会を想像していたら、とんでもなかった。選手、スタッフ、ギャラリー含め、600人以上の参加とのことで、ここBumB(ブンブ:東京スポーツ文化館の愛称)でもそろそろ手狭になってきたらしい。
しかし、やっていることが「吹き矢」なだけに、競技は淡々と進んでいく。「シュッ」「ポスッ」という音と共に。女子十二楽房のBGMと共に。
吹き矢競技の実際
ではまず、本日の競技方法を簡単に説明しよう。
・紅コート・白コートにわかれ、それぞれA〜Zまでレーンがある。競技者はラインに立ち、進行役の合図を待つ。
・「スタート!」の掛け声から3分の持ち時間の間に、5本の矢を放つ。
・それを予選で3ラウンド行い、決勝へ。合計点で競う。
簡単に説明できてしまった。つまり、競技は単純明快ということである。
2階席で見学しているうちに、いくつか気づいたことがある。
・選手は試合開始時、一礼する。
・選手は吹く前に、筒を両手で高々と持ち上げ、降ろし、それから吹く。
・立っているラインが違う選手がいる。
それらの疑問を、隣でくつろいでいた選手の方に聞いてみた。
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