原点は般若心経
私事で恐縮だが、実は中学生のころ、豆本を作ったことがある。
そのころは何でも覚えて自慢したかったので、「世界の首都」や「数の単位(億、兆、京など)」を片っ端から友人と競って覚えあっていた。まあ、中学生ってそんな温度あるだろう、誰しも。
それがエスカレートして行き、ついに「般若心経」をソラで覚えてやろうということに。インターネットもない時代、図書館で関連本を借り、手書きで書いてジャバラに折り、硬い表紙をつけた。
左は、それを再現してみたもの。ネットで文をコピーし、プリンタでらくらく出力。お経をそんなことしていいのだろうかという懸念は別にして。
紫の和紙で装丁。それっぽく出来上がった。
さて、中学生の私はそれを得意げに持ち歩いた。そしてことあるごとに取り出しては暗記。かなり特殊な状況だと今では思う。
そしてある日、トイレ掃除のとき。制服のブラウスのポケットに豆心経を入れたまま便器の上にかがみ、水を流しつつゴシゴシ洗っていたら、本がぽろっと落ちてそのまま水に流されていってしまった。
しばらく怖くて立ち尽くした。私はどうなってしまうんだろう。般若心経をトイレに流すなんて。
そんな原体験もあって、豆本の旅スタートです。
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