手サインの現場へ
手サイン習得の手がかりを求め、例のニュースの背景に映っていた株式売買立会場(そうゆう名前だったのだ)があった東京証券取引所へ行ってみた。1999年に立会場が閉場し、取引の全てがコンピュータで行われるようになってからは「東証アローズ」として、例のグルグル回る電光掲示板がある場所でもある。誰でも無料で見学できる。
そもそも手サインは、立会場があった頃、いろんな証券会社から東京証券取引所に取引のためにやって来る「場立ち」と呼ばれる証券マンの方々が使っていたものだそうだ。
主に、各証券会社から連絡される取引内容を、最終的に立会場のカウンターに口頭で注文するための連絡用として使われていたらしい。
多いときで2,000人もの人々がひしめき合っていたという立会場で、迅速に注文内容を伝えるために手サインはなくてはならないものだったのだ。
手サインに対する溢れんばかりの憧れが説明をパンフレット調にしておりますが、ともかく、取引がコンピュータで全て行われるようになってから、手サインは使われていない。
象徴としてのグルグル
コンピュータ化された取引からは以前の立会場のような目で見て分かりやすい活況がどうしても出ない。そこで、今ではあのグルグル回る電光掲示板(マーケット・センターという)が証券取引の「象徴」となっているのだそうだ。
グルグル回る表示は取引が増えるとその分速く回る。健気に目で見て分かりやすい。それに単純に、間近で見るグルグルはかっこよかったです。手サインがなくなり、コンピュータ化されたとはいえ、証券取引にはやはりグッと来るものがある。
ちなみにグルグルの下で働いているのも、以前場立ちをしていた証券マンではなく東京証券取引所のスタッフだ。不正な取引がされていないか管理をしているらしい。てっきり取引をしているのかと思いきや、取引を監視する立場の方々だとは。
手サインよ今いずこ
そんなわけで、以前は見学コースにいたという手サインを教えてくれる「手サインロボット」も今はいないそうだ。
困った。この手サイン習得への希望はどこへぶつけたらいいのか。こうなったら当時場立ちとして実際に手サインを送っていた方々から話を聞くしか道はなさそうだ。
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