成城学園へ
区役所に電話してきくと、農産物直売所マップは区内の図書館に置いてあるという。
もらってきて、成城学園前駅から歩いてみることにした。
友人のタカセさんもいっしょだ。
「大根とか、たくさん買おうと思って、いっぱい入るリュックしょってきちゃいましたよ!」
「いやあ、持ちきれなかったらどうしましょう!」
「ねえ!」
「うふふー」
ウキウキだ。
地図を見ながら、目的地に向かう。
大きなお屋敷ばかりが並ぶ中、桜並木がほぼ満開だ。
ずんずん歩く。ずんずん、ずんずんずんずん………気持ちよく歩いているうちに、駅からずっと遠いところまで出てしまった。
「……9丁目まで出ちゃいましたよ」
「アレ? おかしいなあ」
「……こっちですかね?」
「いや、右に曲がったほうがいいかなと…」
いきなり、思いきり迷ってしまった。
地図の読めない方向音痴の人間が2人。
途方に暮れそうになりながら、コンビニで世田谷区の大きな地図を買って、あーだこーだ言いながらすすんだ。
(2時間経過)
「……あ、たぶんこのへんですよ」
「ほんとだ、目的地に番地、近いですね。
あ、スイマセーン、この辺に野菜とかの直売所、ないですか?」
子供連れの女性に道をきく。
「あ、ここまっすぐ行って、右ですよ」
やった!!
苦労したけどたどり着いた。心がはやる。野菜、野菜、とれたて野菜……。
「あっ……」
直売所には何もなかった。
ノボリが倒されて、小屋の中にしまわれていた。
「……マップによれば、今日、休みじゃないハズなんですけどね……」
「……もう売り切れちゃったのかもしれないですね(この時点で午後3時)」
「そうかもですね」
「……この近くにもう1軒、直売所あるハズなんで、行ってみましょう」
「つ、次、次行きましょう!」
近くの直売所は簡単に見つかった。
しかし、そこもシャッターが降りていた。
ががーん。
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