モダンタイムス?
さて、電車を乗り継ぐうちに、靴が汚いことに気がついた。そういえばあそこにあれがあった、と。わざわざ地下鉄三越前の駅に出向く。
自動靴磨き機がひっそりとたたずんでいる。いつも通るたびに気になっていたのだ。このときも、カップルがそばで興味深げに見てそのまま去っていった。
自動靴磨き機。もっと気のきいたネーミングをしがちなところだが、あえて無骨な名前で勝負しているのがいい。
チャップリンの映画「モダンタイムス」の、自動食事機に似ている、と思った。
サラリーマンらの視線を感じつつ勇気を出して100円投入、左足から入れてみた。まるで洗車だ。ハケが靴の周りを、冷やかしのようにシャワシャワシャワシャワなでていく。
ああ、変な気分である。
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