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特集 12月のテーマ:夜

12月のテーマ:夜
夜のバスツアー(女性向け編)



「あ、チップが1000円で2枚売ってる。あれ、ダンサーのパンツとかに突っ込むんでしょ? アンタ買いなさいよ」
「勘弁してください……」
「しかし現金はさむんじゃないのねえ。あ、あとショーの撮影は禁止らしいわね」
「そりゃま、そうでしょう」
「アタシがイラスト、描いてあげるわよ〜」
「え………」
「暗くなったわあ! 始まるわよ〜!!」

「あはははははははははははははは」
「何笑ってんのよ」
「だって、なんか、いきなり、このスケスケアミアミの衣装……あははははは」
「ステキね〜」
「ステキ………かなあ? うわあ、なんか免税店っぽい匂いしませんか。彼ら、ずいぶん香水つけてますね」
「そうねえ、あんま日本人の男が付けないような香水だわ」
「日本人の男は、柑橘系のやつ、付けますもんね。レモンっぽいの。でも彼ら、なんか白檀とか入ってる、ムンムンしたやつ付けてますねえ………うううう」
「動物っぽくてステキ〜。アタシも真似しようかしら〜」
「………まあ、好きにしてください」

「うわあ、ロープにぶらさがりましたよ!」
「なんかグルグルまわってるわ! キャー!!」

「あれ、ステキですか?」
「ステキよ!」
「林さんだったら、あれ、出来ます?」
「出来るわけないじゃない!!」
「………しかしダンサー、みんな目線送ってきますねえ」
「目が合ったほうが、営業的にいいのよ!!」
「なんか、こわい………でも、ひもパン1枚にはなるけど、全裸にはなりませんね」
「でも肉体がステキ!!」
「なんちゅーか、筋肉って鍛えたらこんなになるのか、っていう見本みたいですね。
あのう昔、『人体の不思議展』っていう展覧会で、人間をプラスチック化させた輪切りの標本見たんですけど、献体してる人がみんなドイツ人だったので、ぜんぜん恐くなかったんですよ」
「ああ、見慣れない人種の肉体って、作り物みたいに見えるわよねえ」
「いやあ………私、いま、そんな気持ち」
「しかしアレね、あの白人の若いコ、踊りが下手ね」
「あの黒人のテリーさんって人、すげえ上手いですね。良く顏を見ると、けっこう老けてるけど」
「白人のコは20歳そこそこ、テリーさんは30代後半って感じね」
「しかし、コスプレ大会ですねえ。ウエスタンとかスーツとか、くるくる衣装変えては脱ぐ脱ぐ」
「ネクタイに下半身ヒモパン姿って、バカっぽいわねえ」

「あっ、テリーさんがソロで踊りはじめた!」
「やっぱ踊りが飛び抜けて上手いじゃない! きゃー、テリー!」
「うわあ、パンツとった!!!!………あ、先っぽだけ、隠してる」
「半ちんこね」
「なんで半分………」
「………………私には分かるわ、その理由」
「………あ、なるほど………口に出して説明しなくていいですからね」
「でも、根元を剃ってるのね。さすがテリー、芸のためなら剃毛も辞さずよ!!」
「………あ、そうか、剃ってますね。あんま違和感なかったので気がつかなかった」
「そうよ、だから、のび太ちんこだったのよ」
「今回、デイリーポータル始まって以来の下品なネタですね。………うわ、最前列の人がステージに上げられましたね」
「至近距離で見つめながら踊ってるわ〜」

「うわああああ、絶対ステージに上げられないように、目が合わないようにしよう………」
「でも彼女、全然動じてないわよ。ステージ上でうっとりしてるわよ。常連さんなのかしら?」
「それっぽいですね」
「こういうのの常連って、どんな人なのかしら?」
「うーん……30代半ば、独身のOLさんて感じですかねえ」
「………地味目ね」
「でも、精一杯お洒落してますよ。この寒い時期に、キャミソールワンピース着てるし。髪の毛も、ラックスのCMみたいな女優ヘアだし」
「ホストクラブよりは健全でリーズナブルだしね」

「………うわ、おひねりタイムだわあ〜」
「うわあああ、だ、ダンサー全員が、客席をうろうろうろうろしてる………パンツ1枚で………」

「わあ、みんな握手してくれるわよう! ハロー!」
「ていうか、握手強要ですね」
「みんな、がんがん、ヒモパンの横に、おひねり挟んでるわねえ」
「楽しいかあ?」
「楽しいわよ! アタシもチップ買っとけばよかったあ!」
「………うわ、テリーさん来た。うわっ!!」
「テリーさん、アンタの膝の上に座っていったわねえ、うらやましい」
「………」
「………あ、記念撮影、1000円で出来るわよ。アンタやったら?」
「結構です」



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