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12月のテーマ:夜

ブックガイド

夜に関するブックガイド

こんにちはデイリーポータルのイシザキです。
いよいよ今年も残すところあと1ヶ月になりましたね。毎日毎日寒いですが、元気ですかー。
東京ではすでに12月に初雪が降りましたので、今年はホワイトクリスマスもあるかもしれませんよ。雪降る聖夜なんてロマンチックですね。
それまで、風邪ひかないように気を付けましょう。

写真



ブックガイド 不夜城
馳星周
角川書店


馳星周のデビュー作。
新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられる、日本のヤクザ、台湾マフィア、中国マフィアなどなどの抗争を描いており、一度読むと歌舞伎町が恐ろしくなる小説。そういや、いつから歌舞伎町はこんなに怖くなったんでしょうか??読み終わったとき、思わず「堅気でよかった!」と心の底から実感してしまうほどの迫力です。
映画化され、日本と台湾の間で揺れ動く主人公を日台ハーフの俳優・金城武が主演。魔性の女・葉月里緒菜が出演をドタキャンしたことでも話題でした。
ちなみに馳星周というペンネームは、作者が「少林サッカー」などでおなじみの香港映画人・周星馳(チャウ・シンチー)から取ったというのは有名な話。

不夜城


ブックガイド パタリロ!
魔夜 峰央
白泉社


1巻の発売は1979年、いまなお連載が続いている長寿マンガ。
これが美少年ギャグマンガの先駆け、といっても過言ではないでしょう。出演者のほとんどが男、なのに恋愛が繰り広げられる、という設定も当時はかなりめずらしく衝撃的でした。主人公パタリロをはじめ、どんな美少年でも落としてしまうという美少年キラー・バンコラン、パタリロの親衛隊・タマネギなどなど、個性的なキャラクターがたくさん登場。「だーれが殺したクックロビン」という意味不明のフレーズも流行しました。
テレビでは当時のPTAからの攻撃を恐れてか、マンガほど美少年の部分はあまり突っ込まず、ギャグが全面に押し出されたバタバタコメディー調だった感がします。ちょっと残念。
作者は魔夜峰央、ということで「夜」。

パタリロ!


ブックガイド 夢十夜
夏目漱石
新潮社


夏目漱石といえば「我輩は猫である」や「草枕」とか「坊ちゃん」なんかが有名ですが、こんなファンタジックなタイトルの作品も書いているのです。その名の通り10の夢について書かれた短編集で、すべての章が「こんな夢を見た。」で始まります。
美しい話もあれば、世の中を風刺したような内容もあり、説法のような話もありで内容はいろいろ。なかでも、第三話の盲目のこどもを背負う話が大変印象的で、ちょっとホラー調なこの章を最後まで読んだときには、背中がゾクッと寒くなりました。
すべての章において共通して言えるのは、「本当にこんな夢みたらイヤだなー」ということ。うなされそうです。

夢十夜


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