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秋の潮干狩りイン東京
写真
秋の潮干狩り……。

今年の春、「潮干狩りにいきたいねー」と友人と話していた。
「しかし、潮干狩りって、どうしてやりたくなるんだろう?」
「かかるお金を考えたら、スーパーで買ったほうがずっと安いよねえ」
「あれは……きっと狩猟欲なのよ、狩猟欲を満たすためなのよ! 人間の本能よ!」
「そうか、本能ね! 本能だわ!」
私たちは盛りあがり、バケツいっぱいの貝を夢想した。みそ汁、ボンゴレ、酒蒸し。でもスケジュールがあわず、けっきょく行けなかった。
そして今は秋。
「なぜ潮干狩りは春だけなんだろう? 別に秋に行ってもいいんじゃないか?」とフト考えた。
「夏休みの自由研究では、フジテレビの裏でハゼが釣れた。きっと貝も東京にいるはず。今回も都内だ!」そう思って、私は江戸川区の潮干狩りスポットまで、行くことにした。
……ほんとうに捕れるのか?

(text by 大塚幸代


葛西臨海公園(江戸川区)。でかい観覧車があり、なぜかSLも走ってる。

西なぎさ。干上がってます。

干上がっちゃったクラゲ(ばかです)。


なぜ潮干狩りが春なのか?

シーズンオフでも貝は掘れるのだろうか? 
そもそも、なぜ潮干狩りが春なのか。有名サイト・史上最強の潮干狩り超人さんを見て、勉強をした。

・春は一番潮が引くので、潮干狩りがやりやすい(月と地球と太陽の位置関係で、潮の満ち引きは決まる)。
・春は産卵を前にアサリが太る時期なので、おいしい。
・秋も干満の差は大きいのだけれど、潮が引くのが夜中とかになるので、レジャーには不向き。

ということは、秋でもやる気さえ出せば、捕りに行けるということだ。

むうう、夜に行って月明かりの下で掘るか。
海に流されたらどうしよう、そんな死に方はいやだなあ、と思っていたら、10月上旬に、昼間に潮が引く日が数日あることがわかった。やった!
というわけで10月6日、私は100円ショップで買った熊手を持って、都内の潮干狩りスポット・葛西臨海公園まで行ってみたのだった。

 

砂浜到着

葛西臨海公園は、都民のいこいの場所だ。日曜日だったので、親子づれやカップルであふれていた。穏やかな空気の中、狩猟欲をみなぎらせた私は、殺気を発しながら、砂浜まで歩く。

公園内の「西なぎさ」は、磯あそびが出来るようになっている人工の砂浜だ。
ちゃんと海水が干上がっていた。ずっと沖まで歩けた。
逃げ遅れた透明のクラゲが、そこかしこにポテポテ落ちている。

しかし、こんなところに貝がいるんだろうか? 
木更津とかまで行ったほうが良かったんじゃないだろうか。だって一応都内だ。海はきれいなわけじゃない。
ドキドキしながら熊手を持って、砂の上にしゃがんでみた。


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