今年のプロ野球はロッテが日本一となって終了した。実のところ僕はロッテファンでも阪神ファンでもないわけだけど、せっかくロッテが優勝したのだしその恩恵も少しくらいは受けたいもの。具体的にはキシリトールガムが安かったら買いだめしようと思ったのだ。そんな軽い気持ちで近所のスーパーへ行ってみたら、たいへんなことになっていました。
(安藤 昌教)
期待できそうです
日本シリーズでロッテが優勝を決めたまさに次の日、近所のスーパーへ行くと通路にでかでかと「感動をありがとう、記念セール」というのぼりが上がっていた。これは期待できそうだ。キシリトール、半額だったら箱買いしよう。
あれ
しかし歩みを進めるとどこかおかしいのだ。店全体に聞いたことのある曲が流れている。
ふれー、ふれっふれっふれー♪
なぜか六甲おろしなのだ。そういえば店員も縦縞のはっぴを着ている。
阪神セールでした
そう、阪神応援セールなのだ。ロッテが31年ぶりに日本一に輝いたまさにその翌日、沖縄のスーパーでは阪神応援セールが始まっていた。意味がわからないままとりあえずガム売り場へと向かった。
キシリトールは少しだけ安くなっていた。だけどそれはロッテ製品だからではない。あくまでも阪神応援セールのおかげだ。
たまらず店員さんに質問した。
「阪神のセールなんですか。」 「ええ、阪神です。」 「でも勝ったのはロッテですよね。」 「ええ、しかしセリーグでは阪神が優勝しました。」
あまりに自信たっぷりに言われたので納得してしまった。
番外編
もしかしてここならば「ロッテおめでとう」とか書かれているかも、と期待して以前取材したテーマのある魚屋を訪れてみた。しかし今日のテーマはますます難解なものになっていただけだった。
真実はどこだ
どうやら沖縄ではロッテは優勝していないことになっているらしかった。沖縄が西日本だからとはいえ、実際勝ったのはロッテだろう。釈然としないまま結局キシリトールも買わずに岐路についたのでした。