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カリグラフィーで書く「Daily Portal」

「カリグラフィー」とは、手描き文字によるデザインのようなもので、別名「西洋習字」とも呼ばれている(そうです)。日本の書道も、グローバルに言えば「カリグラフィー」の仲間に入る、とおっしゃる方もいらっしゃるのだ(そうです)。

このカリグラフィーにあこがれて、初心者向けの筆とテキストを購入したことがある。が、独学では勝手がわからずに行きづまり、いつのまにかお蔵入りしてしまった。いつかはちゃんと先生に教えていただきたいなあ・・・とたまに思っていた腰を上げ、スクールを尋ねました。

(text by 田中あずさ

日本カリグラフィースクール

今回お世話になったのは、関東・関西で数箇所のスクールを開いていらっしゃる「日本カリグラフィースクール」。会長の松井康子先生にお話を伺いながら、実際に文字を書くまでのレクチャーをつけていただきました。


先生の作品の一部。実物はものっすごくキレイです。こんなに書けたら、楽しいだろうな
教室の看板も手書きで。美術の時間に、こういうレタリングやりました
専用のボード。こういうののクラシックなやつ、「名探偵ポワロ」のドラマで見たことあります!
最初は「イタリック体」という文字から練習。ガイドシートに沿って、書いていきます。

 

見本を書いてもらう

基本のイタリック体の書き方を覚えるには、3〜4回のレクチャーが必要だという。この時間の中でA〜Zまでの書き方をマスターし、さらに上達するために練習を積むのだそう。初めて訪れた私にいきなり書けるものではないのだが、先生のご厚意で「Daily Portal」の書き方を教えていただく。

イタリック体。この他、100を超える書体があるのだそう
「Daily」。あこがれの文字がすらすらと。目が離せません

 

イタリック体の心得と実践

(1) 筆は常に45度の角度を保つ。

(2) アルファベットは、それぞれエリア「A」を中心として、「B」に伸びる文字と「C」に伸びる文字にわかれるれる。

以上2点の大前提ふまえ、先生に作っていただいた見本をもとにチャレンジ。ひとりで取材をしているため、次はいきなり書きあがりの写真となります。


 

一生懸命かきました

見ているぶんにはすらすら書けそう・・・な気がしていたのだが、実際には難しく、最初のひと筆がなかなか落とせなかった。力の入れぐあいでインクがたくさん出てしまったり逆に薄くなったりと散々だ。見かねた先生がひと文字ずつアドバイスをしてくれたので何とか書き上げることができたものの、先生のが高級羽毛布団だとしたら私のは湿ったゴザ、とでも言おうか。「最初に書いたような字は練習するにつれて書けなくなるものだから、記念にとっておきなさい」という先生の声に、ちょっと救われたような気がした。

これで終わらせるのも申し訳ないので、次は先生のキレイな作品の数々を、ごらんください。

友人のために作ったウエルカム・ボード
紙を組んで模様にしたバースデー・カード
落ち着いた色合いのサンクス・カード
秋の味覚とイタリアンをテーマにしたカード
地色を引く、こんな技もあるそう
お月見カード。日本語も風流に書かれています
私が書いているあいだに作ってくれた「Daily Portal」の文字。なんと小花入りですわよ

 

文字を美しく書くという文化

先生は、趣味がこうじてカリグラフィーの世界に入り、今は講師として全国で生徒さんを教えていらっしゃるという。「今はパソコンでいくらでも文字が打てるけれど、手書き文字の美しさを知ったら楽しくなっちゃって。文字を大事にする文化があるってステキなことよね〜」と話す先生は、自分の技術に自信を持っている人ならではの貫禄があって、かっこよかった。

また、今回教えていただいたイタリック体をAからZまで書けるようになるには数回のレッスンと自主練が必要だが、そのレッスンを終えれば一枚のカードが書けるようになるというから、完結した成果が出やすいことも、カリグラフィーの魅力のひとつだと思う。実際、一枚完成させるともっとうまくなりたいから書く、もっとうまく書けるとうれしいからまた書く、というナイスループが生まれ、はまっていく人が多いのだそうだ。

先生が書いてくれたものを大事に持ち帰る。コルクボードに貼ってみたり
ポストカードにしてみたり

花でデコレーションしてみたり

まとめと考察

・・・やりたいなー、カリグラフィー。ペン1本でこんなにキレイな文字が書けるなんて、あこがれる。サインを書いたり、らくがきをしたり、何気ない紙切れなんかがキレイなカードになっちゃったりするなんて、夢ありすぎだぜ。なんだったら、会社の電話メモもカリグラフィーで書いたっていい。「○○さんより、折り返し電話くださいとの伝言を承りました。番号○○○○」ってすっごいキレイなカリグラフィーで書けたら、いいだろうなー・・・。 たくさんのキレイな作品を見せていただきながら、カリグラフィーへの夢がものすごくふくらんだ。10回のレッスンチケットが3万円弱・・・と聞いて思わずその場で入会しそうになったが、持ち金がないし他にも習い事をしているので時間もないしで今回はガマンした。でも老後の楽しみに、絶対習いたい。で、何でもない日に立派なカードを作って勝手に贈りつけたりして悦に入りたい。そんな決意を新たにした、今回の取材でした。


 

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