漫画の中に出てくるモノに興味を持つことってあるだろう。分厚い 「あの肉」 とか、食いちぎるとき 「ぐにゃーっ」 と伸びる骨付きの 「あの肉」 とか。
肉ばっかりか。
いや、私にはまだ気になっているものがある。それは、あの肉ならぬ 「あのオバケ」 のさわりごこちだ。どんな感触なんだろう。名前のとおり、「キュッキュッ」 て感じなのか、どうなのか。
(乙幡 啓子)
キャラクターで何よりもひかれるのは 「手」 だ。JR東日本のプリペイドカードSUICAのCMでも、ケーキのショーウィンドウをトントンたたくペンギンの、あの 「手」 にぐっとくる (JR東日本圏外の方、すいません)。あとつくば万博マスコット・コスモ星丸の、わっかに 「ペタッ」 と置かれた、猫みたいな手。
でもあいつの手はなんだ。往年のギャグマンガ、オバケのQ太郎の手。実際?の材質もわからないし、だいいちあいつの白い 「皮」 は何着も予備があって取り替え可能なのだ。わけわかんねえ。
ああ、何でできているんだ!あの手で触れられたらどんな気持ちなんだろう・・・。うっとり。
さっそく作ってみることにした。「ヌーブラ」 作ったときにお世話になった、ウレタンで。
実物大 (そんなもんわからんが) にしようと思ったが、それだとたぶん5千円近いゲルウレタンが必要になるので、先っちょだけね、今回は。
東急ハンズで、固めたウレタンのサンプルを全部出してもらい、長時間くにくにさわってやっと決めた。たぶんQちゃんの手は、これくらいやわらかいだろう。やわらかいはずだ。
そして待つこと5時間・・・固まったかな?
・・・結論からいうと、「求肥」 である。和菓子の。
うーん、ウレタンと硬化剤の比率3:1を、誤差1%以内で混ぜなきゃいけなかったんだが、ちょっと硬化剤が少なかったか。やけにやわらかく、手にくっつく。
最初から求肥で作ればよかった。あとで食べられるし。
とはいうものの、Qの感触はまあこんなもんだろうと思う。皆さん、Qちゃんは実は、求肥だったのです!
しかしこの物体が、数十年、数百年後にうちの物置から発見されたら、事情を知らない子孫は何だと思うだろう。オバQだけでも伝わってたら、河童の手のミイラを祭ってある神社ではないが 「オバQの手」 として展示されるかもね。