ブラインドで食べ比べ
当初の予定では、炊き上がりの見た目を同じにするつもりだった。どっちがどっちか分からないようにして食べ、どちらがマツタケか当てよう、という心積もりだったのだが。
もう、見た目からして違う。味付けの段階でダシの色も揃わなかったし、エリンギが思った以上に縮んだこともあり、キノコの細さも段違いだ。バレバレだ。
「自分で作ったんだもの、どっちがマツタケかなんて目隠しして食べるんならともかく、すぐに分かる」
…ん? 目隠し? そうか、目隠しして食べればいいのか。という訳で、実際に目隠しをして食べることにした。
目隠しをしたまま、まずは先に手に触れた方の皿から口に入れる。…あ、おいしい。そしてキノコの噛み応えがすごい。マツタケの匂いも、ものすごくする。
この皿を手探りで端の方に寄せ、続いてもう一方の皿を手に取り、食べた。
……嗚呼。「私マツタケですけど、何か文句ありますかっ!」と声高に主張している。それがかえって怪しさを醸し出しているとも知らず「マツタケです!」と叫んでいるのだ。
いや、十分おいしいのだが、全体的になんというか、わざとらしい。キノコの噛み応えも、さっきの皿に比べればない。
結局、ブラインド状態で食べても、その差は歴然なのであった。 |