とはいえ、けして"動物好き"というわけではない。
人間とおなじだ、キライなやつもスキなやつもいて、私はとくにそれがはげしい。
ただ、田舎には、動物園がなかった。
私にとって東京は、遊園地でもオモチャのデパートでもピンクのランドセルでもない、動物園だった。
このあこがれの言葉に「真夏」と「夜」がプラスされる特別イベント
『真夏の夜の動物園』
が上野動物園で行われるという。幼い日のコーフンがよみがえるのもむりはないだろう。
お盆限定3日間のこの催しは、夕方から夜にかけて、分刻みのダブりスケジュールで構成されている。
[不忍池のコウモリ観察会]
[横から覗くライオンの森]
[爬虫類、夜の特別ふれあいコーナー]
[小獣館ナイトツアー]
[放飼場に入るゾウ!]
など、そのほか盛りだくさん。
タイムスケジュールをみながら、
「ふれあいを30分で終わらせて、不忍池に走って行って……」
などと調整するだけでどっと疲れてしまった。
二兎追うものは一兎も得ず、
『夜・特別・ふれあい』
と、れっきとした大人でも胸が高鳴るような三拍子揃ったスキンシップ。これに的をしぼろう、じっとりねっとりハ虫類を堪能しようではないか、ということになった。
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