ヒナにふりまわされる日々
最初にヒナが落ちたのは数年前。私たちはツバメパニックに陥りました。
近所中の誰もが未経験。母の教えも育児書もありません。
町役場では「そのまま放っておきましょう」と言われ、ネットでは「ヒナの飼育は誘拐です」という警告も目にしました。けれども自分んちの玄関先でぐったりしたヒナをそのまま放っておくことなどできません。
子どもそっちのけで、大人たちは慌てふためいたものです。
そんな私たち、とくにSさんは、いまやツバメ養育のプロフェッショナルと言っても過言ではないでしょう。
あれだけキミ悪がっていたエサのミルワーム(イモ虫系)を、サッサと手づかみで取りあげてヒナのクチに運びます。 タンパク源が必要だと聞けば虫もせっせとあたえます。
プロとアマの差をつける「サッサとイモ虫」のおかげで、衰弱していたヒナは3時間ごとに元気に、そして、半日ごとに大きくなっていきます。
エサを与えるのは親ツバメのペースに合わせておよそ2,30分に一回。
えさコール
↓
食べる
↓
フンをする
↓
寝る
フンの始末もかかせず、ハンパな作業ではありません。
こうして家の中は数日間、ツバメベイビー1色になっていくのでした。
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