サンマを用意
細長いからという理由でこの実験に選ばれたサンマ。
頭と尻尾にアルミホイルを巻き、そこに電極をつなぎ、電気を流して加熱するのが今回の目標。
「この時期に売ってるかしら」と不安を抱きつつスーパーの鮮魚売り場に行くと、あったあったありましたよ、サンマ。
その時流れていたBGMはファンタスティポ。一週間に4回カラオケに行って、5回歌うくらい私の脳内ブームになっていた曲だ。歌いながらレジへ向かう足取りも自然と軽やかに。
電極の準備
調べると、この実験には100Vがちょうどいいらしい。家庭用の電源がジャスト100Vだ。なので、家庭のコンセントから電気をとり、それをサンマの頭と尻尾に流すようなコードを作る。
危険な実験でもあるので、間にスイッチを入れることにした。これで即座に電気を切ることができる。
実験開始
サンマに塩を振って通電し易くし、頭と尻尾にアルミホイルを巻いて、そこに先ほど作成した電極のミノムシクリップを挟む。
用意は簡単。
でも下手をすると感電したり、ショートしたり、家のブレーカーが落ちたりするので、電気電子科卒業の友人の指南の元実験を進める。
まな板の上のサンマ。もう身動きはとれない。
それでは、スイッチオン!
電気が流れ始めると共にアルミホイルの部分がチュリチュリと音をたてる。こんな魚の焼ける音は初めて聞いた。
今目には見えない変化がサンマの中で起こっている。
お、表面の塩が乾いてきた。サンマに手をかざすと温かい。感電し、発熱している模様。
変化に目をこらしていると、サンマの肛門から血が出てきた。…痔? このサンマ、痔?
そんな思いが私と友人の中に沸き立つ。
時間がたつにつれ、サンマの表面が乾き、ひび割れたところからぶくぶくと泡が出ている。
火は使っていないのに、焼ける香ばしい匂いが漂う。
ああ、サンマ、早くキミを食したいよ。
30分たち、そろそろよかろう、と箸で開けてみる。
おお、しっかり火が通ったように加熱されている。外に油が落ちない分、非常にジューシーだ。アツアツで煙りまで出ている。 |