お酒やジュースを飲んでいて、物足りなく感じることはないだろうか。僕はある。
もっと飲みたい、もっとでかい瓶で飲みたい。でもそんなでかいのない。
というわけで、見た目だけでもでかくしてみました。
瓶をでかくする
でかい瓶で、といってもそんなの売ってるわけがない。でかくてもせいぜい2リットルとか4リットルとか、そのくらいが限度だろう。ガラスを溶かして作るのもいいがきっと技を学ぶところから始めることになる。ならば視覚をごまかして納得させるしかない。
こういうことである。
トリック写真を撮ろう
遠近法である。古くからあるトリック写真だが、これが実際やってみるとなかなか面白いのだ。と同時に奥が深い。これを撮るために僕はデジカメのリモコンを買った(でも結局うまくいかずに人に手伝ってもらった)。
コツを伝授しよう。
まず広くてなるべく単調な景色の場所を選ぶ。
背景が複雑な、たとえばビル街とかちらかった部屋みたいな場所だと、周りの状況から人が遠くにいることがバレてしまうのだ。
そのてん砂浜とか落ち葉とか、前後の見分けがつかないような場所だとうまくごまかすことができる。
次にピントの問題がある。
瓶くらい小さいものを大きくするとなると、かなり前後に離れなくてはいけない。そうなると前か後ろのどちらか一方にピントが合ってしまい、もう一方がボケるのだ。これでは並んでいるように見えない。
ということでなるべく全体にピントが合うカメラを使いたいところである。たとえばピンホールカメラなんかいいんじゃないか。
カメラのピントが合う前後の範囲を「被写界深度」というが、ピンホールレンズはこの範囲がものすごく広いのだ。つまり見える範囲すべてにピントが合う状態である。ピント大安売りだ。すごいぞ、ちっちゃい穴。
そんなすごい穴から撮った景色がこちらです。
確かに全体に均一なピントではある。だけどなんだろうか、違う。雑誌に載っていそうなおしゃれフォトっぽくもあるが、いかんせん写っているのが半笑いのおっさんと瓶だ。あの世で生前の夢をかなえました、みたいだ。
モチーフを変えてみるか。
ピンホールレンズは確かに全体にピントが均一になるが、どうしてもぼんやりした写りになってしまうのだ。これが穴の限界だろうか。
やはり普通のカメラ用レンズを使うのがいいようだ。最終兵器としてピンホールレンズを作ったのだけれど、あっけなく途中で紹介してしまった。個性的な投手を中継ぎで試した、みたいな感じである。
普通のカメラレンズを使う場合、全体にピントを合わせるためにはなるべく広角(広い範囲が写る)なレンズを選ぶとよい。この時注意したいのは、広角レンズを使うと遠近感が過剰に生まれ、物が歪んで見えてしまうことだ。これを回避するために瓶を傾けた(原理はこちら)。
あとはカメラのセッティングを、あれば「絞り優先」にして、できるだけ絞りの値を大きくする。こうすることでピンホールレンズのように全体に均一にピントが合うようになる。
理屈ばかりではつまらないのでこの方法で撮った写真を見ていこう。
瓶がでかい
瓶、どうしようもないくらい、でかい。どのくらいでかくしようか迷ったのだが、人間よりもでかいとさすがに違和感があることがわかる。
それから最後にコツをひとつ付け足すと、瓶の底と人の足を位置合わせすると並んで見えるようだ。
ここまで習ったことをおさらいしておこう。
・周りに物がない場所で撮ろう
・広角レンズで全体にピントを合わせよう
・足元を瓶底に合わせよう
たったこれだけで瓶はかなりでかくなる。試してみてほしい。
それから微妙な位置合わせをするのはかなり難しいので、リモコンやセルフタイマーで1人でやるよりも趣旨を理解してくれる友人に頼むのがいいと思う。いきなり「瓶をでかくしたいのだが」と切り出すとあれなので、この記事を読んでもらうといいですよ。
ちょっとした工夫で瓶をでかくすることができた。大満足である。実際にでかくなったわけではないけれど、自分さえ我慢したら人に見せる時には写真でいいだろう。だからこれでいいのだ。
GIFアニメとか古典的なことが流行っているので、きっと次くるのは遠近法だと思っています。