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土曜ワイド工場
 
みんなの「食わず語り」を聞いてみた
イベントの来場者156人に、嫌いな食べ物を聞きました

他人の嫌いな食べものの話を聞くと、自分が普段あまり気付かなった食べ物のクセに気づくことがある。
今回は4月29日にお台場で開かれた当サイトのイベント「DPZエキスポ」で、来場者の方に思う存分、嫌いな食べ物の話を聞いてみることにした。

加藤まさゆき



練りものの特有臭に気付いていますか。

そもそものきっかけは、横のデスクの同僚が「チクワが食べられない」と言い出したことである。
チクワ以外にも彼は、ハンペンとかさつま揚げとか、練りもの全般が食べられないと言う。

何がダメなのかと聞くと、

「練りものって、何か共通する独特の臭いがあるじゃないですか。アレです」

と言われて、ハッとなった。
言われてみれば、練り物って共通する独特の匂いがある。そして自分が練りものであることを、着実に主張している。
おそらく彼の言葉が無ければ、僕は練りものに共通する匂いに、一生気がつかずに生きていたことだろう。
世の中にはまだまだ僕の知らない感覚が眠っているのかもしれない。
そんなみなさんの鋭い声を聞きたくて、エキスポで「食わず語りボード」を設置した。


いちおう「問わず語り」にひっかけたネーミングです。

使用法は簡単、嫌いなものとそのポイントを、書いて貼ってもらうだけである。わりと地味な企画なので、書いてもらえるか心配だったのだが、一番最初に書いてもらえたのはこの一枚だった。


 

絶妙にバナナの負の特徴をとらえた一言である。
実は僕もバナナは、なんとな〜く敬遠したい食物なのだが、そのバナナに対するモヤモヤ感が一気に解消した勢いがある。
あの口にした瞬間の違和感の正体は、まさに圧迫感だ。


果物なのに果汁が無い圧迫感。バナナ・クオリティ。

一枚、

次々に集まる「食わず語り」

一枚目の的確さが嬉しくて、通りがかるお客さんにかける声もはずむ。
食わず語りボードには次々と来場者が訪れ、みんなが思いのたけをぶつけて行ってくれた。そして、一人ひとりが、その食べ物の何がダメなのかを、熱く、力強く、僕に語ってくれた。
人は夢を語るよりも、嫌いな食べ物を語った方が、熱く語れるんじゃないだろうか。間違いない。

さっそく紹介していきたいと思う。


また一枚と埋まっていくボード
あっという間に一杯になった。

雪見だいふく

さらに「同じ理由でパフェもダメです」と言われて、あ!ああーっ!となった。
確かに、パフェを食べているときのアイス部分と生クリーム部分の温度差には、つねづね意識下で違和感を覚えていたように思う。


ガリ

確かに。
前のネタの味を消してさっぱりさせるため、とよく言われますが、あの味、さっぱりさせる気があるようには思えません。


こんにゃく

そう! 煮込んだりすると忘れがちですが、アイツ、袋を開けた瞬間、ものすごく臭いですよね。ダメな人には、調理してもダメな気持ちもよくわかります。


ピーマンとナス

これも。
新鮮すぎるピーマンとかナスって、逆に不自然なんじゃないかってくらいにつやっつやしてますよね。
これも言われてみて、初めて意識の上に上ってくるぐらいの感覚だ。


火を通した時に、身が大きくとれない魚

ギンダラ! ギンダラですよね!
ギンダラの煮つけの崩壊速度は想像を絶していると思います。あいつら海の中で身がほぐれたりしないんでしょうか。


やっぱり仲間を発見!

クリームシチューの鳥の皮、これは分かる。
書いて下さった方に聞いてみると、他に嫌いなものは無くて、鳥の皮自体も平気だけど、この料理に入ってるときだけはダメなのだそう。
実は僕も子供の頃、ムニュムニュとした正体不明の感じがダメで、鳥皮が食べられなかった。
当時のことを思い出すと、クリームシチューの乳脂肪分は、あの鳥皮の負の部分を増幅させているように思う。
思わぬところで、過去の記憶を掘り返してくれる共感者が出現だ。


小粒のぶどう

小粒のぶどう、と書いて下さったのは、鳩特急さん。
言われてみれば僕も、小粒のぶどうは、なんとなーく食べるのを避ける傾向にある。
値段うんぬん関係なく、大粒のと小粒のが並んでいたら、迷わず大粒を買う。言われてみれば、あれは食べるのがめんどくさいからだった。


らっきょう

色々とクセの強い食品だが、僕はこの一枚に心から共感する。
キシキシ。それだ。
あの独特の歯ごたえが、僕をラッキョウから遠ざけるのだ。


ミンチは大丈夫でも、固型がダメとのこと。

チャーシューが加工肉と固型肉の分岐点らしい。

分からなくても、聞いてみると面白い。

自分が分からなくても、聞いてみると面白い感覚もある。
アッチさんは、固形の肉がダメ、とのこと。
でもミンチなら食べられて、ハムみたいな加工肉も大丈夫なのだそうだ。

微妙なのはチャーシュー。
食べてみて、加工肉と脳が判断してくれるものと、固形の肉と判断してしまうものと、両方があるそうだ。
なるほど。
言われてみれば、チャーシューの風味ってのは両者の中間に位置している気がする。言われみて気付く、新鮮な感覚がある。

 

さて、次のページでは、全156枚の中で、不人気を博した食べ物について、レポートしたい。


一位の食べ物はなんでしょう >
 

 
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