京都に天使突抜(てんしつきぬけ)という地名があるらしい。
「天使」という西洋的なイメージが地名に入っているだけでも珍しいのに、さらに「突抜」とくる。動きを含んだ言葉が地名に入っているのも面白い。
(西村まさゆき)
目立つということは孤独になること
そもそも、ネタ会議で「京都に天使突抜があるので、天使の格好で突き抜けたい」とネタ出ししたのは、その場をなごませるためのちょっとしたジョークのつもりだった。 しかし、いろいろあって、なんやかんやで結局やることになった。
前日にドン・キホーテで買ってきた天使セットを品川駅で装着。
周囲のひとは、天使の羽と輪っかをつけたおっさんを発見すると、遠巻きに眺めるか無視をする。 なるほど、こういう感じか。 「目立つかっこう」というのは、度が過ぎると孤独になるものなのだな。
ドレスはやめた
乗車予定の新幹線よりひとつ前の新幹線で「新幹線に乗っているところ」を写真に撮ることにした。 実は、白いドレス姿で写真を撮ったのだけど、あまりにもひどいものになったので、急遽、羽と輪っかだけにすることにした。
写真を撮ってもらうために同行してもらったウェブマスターの林さんに「林さんもピエロ姿で大阪まで行ったんですよね?」と尋ねたところ「ピエロはそのへんに居てもおかしくないけど、天使は居たらおかしい」と言われた。その時は「なるほど」と思ったのだけど、今考えるとどっちもおかしい。
京都でも遠巻きに観察される
新幹線は早い。あっという間に京都だ。さすが新しい幹線というだけある。
トイレの中に財布を忘れるというアクシデントに見まわれるものの、無事に財布を回収し、「天使突抜」に向かう。
「天使突抜」は地下鉄五条駅が最寄り駅なので、地下鉄で移動する。
中学生に天使と認めてもらう
地下鉄五条駅から天使突抜へ向かう途中、中学生の団体とすれ違った。すれ違いざまに「あ、天使」という声が聞こえてきた。とりあえず、中学生には天使と認めてもらうことができた。
そして、何らかの撮影かと思ったのか、自転車に乗った中学生が後ろから追いぬきざまにふりかえってぼくの顔を確認した。 若手芸人とかじゃなくてごめん……。
面白い地名はテンションが上がる!
駅から歩くこと数分、天使突抜に到着する。
あ、あった! 天使突抜だ!
変わった地名、珍しい地名を訪ねるというのは、それだけでわくわくしてしまう。
天使突抜は、その珍しい地名で町おこしをしようとか、そういう安易な考えは一切持ち合わせていないらしく、ごくごく普通の静かな住宅街だ
ちなみに、今回は時間がなくて行けなかったのだけど、この天使突抜からもう少し東に行ったところに「悪王子町」という町がある。天使とか悪王子とか、ビックリマンシールみたいでいちいちかっこいい。
さて、天使突抜を天使で突き抜けるか
「突き抜ける」をどのように表現するかはちょっと悩んだのだけど、とりあえず、走り抜ければ突き抜けたってことになると思うので走り抜けることにする。
よく見ると、羽の向きがずーっと逆だったっぽい
ところで、この記事を読んでいて、ぼくの天使姿に違和感を感じていた方も多いと思う。 その違和感、たぶん羽の向きです。
品川で羽を背負う時「たしかぎょう虫検査の天使はこういう向きだったなあ」と思って背負ったのだけど、あとで「ぎょう虫検査 天使」で画像検索してみたら羽の向きが上下逆さまでした。