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コラボ企画
 
「4人工藤」が北の大地を駆け抜ける

全く違っていたのだ、何もかも。

スバル・レガシィ

言うまでもなく、富士重工業の誇る人気4WD車である。

最近、各種媒体で同社の車を目にする機会が多い。そう、「ぶつからないクルマ」「ついていくクルマ」という最新の機能が注目を集めているのは、周知のとおりだろう。

そんなスバルから、こちらデイリーポータルZに依頼が舞い込んだ。

「ぜひ、スバル車の数々の性能を体験して、記事にして欲しい」

とのことである。てっきり、車の試乗をさせてくれるのかと思っていたら、全然違っていた。

乙幡 啓子


ダジャレガシィ

2月某日。今回の記事を書くことになった筆者・乙幡はニフティの会議室へ。スバルからの依頼を、編集部の工藤・安藤両氏から詳しく聞く。

「4輪駆動の車は、2輪駆動の車と比べて、悪路に強いんですよ」
「高い安定性で、快適な走りが約束されますし」

「あっ、はい、そうでしょうね」
「悪天候時での安定した挙動が、ドライバーの信頼に応えます」
「なるほどー」
「では、『4人工藤』ではどうか?」
「やはり悪路に強いのだろうか?」

「はい?」

ここで、スバル側と打ち合わせた際の資料を見せられた。


「工藤が4人で4人工藤。4輪駆動」

話も長くなってきたので詳しいことは省くが、依頼内容というのは、

「4人の工藤が一緒の車で移動したら、やはり悪路に強いのかどうか、検証せよ!」

というものだった。車のガワは、ダンボールか何かでかまわないという。

言ってることがよくわからないが、その制作と執筆を引き受けてしまった。執筆はいいが、制作のほうは大丈夫か。車をダンボールで、だぞ。いくらなんでも小学生みたいな工作で良いわけがない。

しかし、スバルの担当者は打ち合わせで上の4人工藤の想定図を見るや、2つ返事で企画にOKを出したそうである。なんとかなるだろう。

製造ラインを自分が回る

さっそく、レガシィの外観を元に、ダンボール車の開発に着手した。最上命題は「4人の大人が入れること」「歩けるくらいには丈夫なこと」、そして「輸送用に折り畳めること」である。


車をまともに再現するのは難しいので、単純な線に落とし込むことにした
紙の模型を作成。だいぶチョロQ的フォルムに変換せねばならない。

モジュール統一したにも関わらず、ダンボールに下書きするのに半日かかった。
絵の具の上からツヤ出しニスを塗って、ボディに光沢を。

大人4人が無理なく歩くのに必要な空間を、横105cm、前後110cmと見積もった。そしてボディを持って歩くのに無理のない車高は、だいたい60cm程度とした。4面別々に作り、最後に太いマジックテープでしっかり留めれば大丈夫だろう。

予想以上に、買っておいた無地のダンボール素材を使ってしまい、肝心な前後の部分はトイレットペーパーの入っていたダンボールをもらってきて補うこととなった。


そして部屋中埋め尽くすボディ。這い回って塗装。
タイヤはまさに(アルミ)ホイール(皿)を使用。

内枠は塩ビパイプを適当に切って繋ぎ合わせる。
ライトの部分は、余っていた保冷バッグを切り抜いて、少しでもそれらしく。

とにかくでかいので、どれだけ作りこめばそれらしく見えるのか、いまいち掴みづらい。車体はでかいが部屋が狭い。ベランダは広いのだが連日強風で、そこで作業すればうっかり飛ばしてしまいそうだ。武蔵野の空に舞うダンボールレガシィ。発信者は自分。想像するだけで恐ろしい。

部屋中、レガシィ。多少色味が違うのは勘弁してつかあさい。

ここまでで、時間ギリギリになってしまった。ハンドルとシートベルトは安藤さんが調達してくれることになっている。

最後までこのでかさに翻弄されたわけだが、なんとか形になったので、分けてたたんで梱包して北海道に送ってしまえ!

北海道?


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