千葉県の印旛沼のほとりに、なまず料理を出す店がある。 私はなまずを食べたことがない。あまりきれいな水に棲んでいない沼の主のようなイメージがあるけど、どんな味なのだろう。さらに先月から刺身がメニューに加わったらしい。 なまず刺…!まったく味の予想ができなくて惹かれる。
(ほそいあや)
事前になまずがある漁協の直営レストランをウェブで調べると、刺身は土日限定だという。一応電話をして「今度の土日はお刺身はありますか」と聞くと、「土日ならありますが、あまり注文されないので平日はやってないんです…」という事だった。やっぱりなまずは不人気なのか…! この時「がんばれなまず!」という応援スイッチが入った。
「ウナギ釣りで釣れたのを食べました。川で釣りをしないと馴染みはないと思いますよ。釣っても普通は食べないのでは」
うなぎ推しの界隈でも、なまずはがんばっているようだ。生きているなまずが見たいと思い、店に入る前に水槽を覗いたが泳いでいたのは鯉だった。この店には鯉のあらいもあるのだ。
「この店のなまず全部ください」的な意欲でやってきたので、全部のなまず料理を食べましょう。 三角巾をかぶったウェイトレスの女性が注文を取りに来たので、「このなまず料理4つで」とオーダーすると、ちょっと驚いたように「はっ。ありがとうございます」とお礼を言われた。本当はうなぎも食べたい。
過去にデイリーポータルでなまずが何度か登場しているが、そのほとんどが天ぷらだった。 ずどん480円 なまずの町で知った、なまずの秘密 北関東・県境複雑地帯を行く どれも「おいしい白身魚」と書かれている。これについては心配なさそうだ。
ふわふわに揚がっている。
あつあつを天つゆで頂いた。本当だ、ぷりぷりしていておいしい。一般的な白身魚のてんぷらのおいしい版だ。例えが変だけど。 もしなまずを釣って持て余している人がいたら、リリースしないで私に下さい。とここで公言したくなる味だ。
フライ
天ぷらが成功ならフライだっていけるだろう。心配していた泥臭さは油で緩和されているようだ。
おいしいのだけど、天ぷらの安定感には一歩及ばずだった。サクっと揚がってはいるが、ぷりぷり感はあまり感じられなかった。なまずを揚げるなら天ぷらが良いようだ。
刺身
メインディッシュ(自分の中で)の刺身だ。印旛沼の味がガツンと感じられそうで胸が躍る。 鯛のお造りのような見た目である。なまずの生肉、いただきます。
柳川風
どじょうの代わりになまずを使った柳川風。柳川鍋はどじょうを丸ごと使うので骨が気になる時があるが、なまずバージョンはもちろん骨は入っていないので本物よりも食べやすいのではないか。
4つの料理を好みでランク付けすると、 1位:刺身 2位:柳川風 3位:天ぷら 4位:フライ という順位になりました。食材の味を一番ダイレクトに知れるのは生だし、魚は刺身だろうという見解からです。
うなぎも食べたくなりました
なまずといえば埼玉が有名ですが、千葉のなまずもよろしくお願いします。成田市はうなりくんの相方として、なまずのキャラも作るべきだ。