明治にあった会社名をもらう
−−− 会社はできてどれぐらい経つんでしょうか
竹中「会社は来年で40年。前身は印刷屋さんだったんですよ。うちの社長がよその会社の復刻版を刷ってるのをじっと見てたら、これおれでもできるんじゃないかと思ったらしい。復刻版は刷ってるだけだから、業者みたいになっているのはおかしいぞ、と。おれもやってやろう、で始まった。
だから最初はもっぱら復刻版。気づいたら印刷のほうが小さくなって、印刷やめて出版社になっていた。」
−−− 国書刊行会という名前はどこから?
竹中 「明治のころに同じ名前の版元があって、それも江戸期の有名な本を復刻して出すことをやっていた。それをいただいた。
やってることも名前も同じ。なおかつ、明治の頃に国書刊行会が出した本を復刻して出しているという入れ子構造になってる。会社名も復刻した、みたいなものですかね(笑)
おかげで勘違いしている人が多くて、明治からずっと続いている会社だと思っている人が多い。」
樽本 「歴史系の研究者はむかしの国書刊行会の本を使ってる人がいて、古い会社にいるね、なんて言われたり。あえて否定はしませんけどね。」
いまは刷るだけという復刻版はやってないそうだ。むしろ別冊をつけたり当時の姿を推定して再現したり、ふろくも復刻してつけるなど「逆説的だけど当時のままにするために編集している」と話していた。たしかにいまの復刻版を見せてもらったが新しい本のように(新しい本なんだけど)ピカピカだった。 |