作品について聞いてみた。
石川「作品コンセプトみたいなのはあるんですか?」
宇吹「捨てられたゴミが動き出したらどうなるだろう、という感じですね。
ゾンビだったり、フリークスショーみたいなイメージです。」
石川「このテープの音が、すごい怖いですよね。悪夢っぽい。」
宇吹「『悪夢っぽい』はよくいわれます。でもMake:の会場では意外と子供にうけたりしましたよ。ずっと離れない子もいて。」
演劇とかでよくある音響効果で、混沌がエスカレートしていくような場面でテープがガーってどんどん早回しになって、いきなりバツン、って切れて静かなシーンになる、みたいな演出あるじゃないですか。この作品は、あの、バツン!って切れる直前がずっと続いてる感じがする。もうすぐ世界が終わるぞ、という。だから『2011年 人類は滅亡して地デジに生まれ変わります。』っていうサブタイトルが、すごくぴったりだと思う。
石川「ところで、なんとなく生き物っぽい造形じゃないですか?」
宇吹「そうですね、カセットデッキって2つの穴が目に見えますし、顔っぽいです。さっきゾンビっていいましたけど、生き物っぽく見せたい、というのはありますね。」
石川「このブルブル震えるのとかすごく生き物っぽいです。」
宇吹「はい、それがちょうど、生き物っぽくしたいと思い始めたきっかけです。」
石川「一台作るのにどのくらいかかりますか?」
宇吹「最初は1週間くらいかかったんですけど、最近は材料さえあれば、1つ2日くらいで。」
ネックなのは材料調達だそうだ。最近はブルーレイが普及してきたので、カセットデッキよりもDVDプレーヤーが多く捨てられているとか。
石川「これ以外にも、なにか作られているんですか?」
宇吹「ええ、ちょっとここにはあんまりないんですけど…、あ、これとか。」 |