炭火を手軽に使うことのできる七輪。 その簡便さ、高いポテンシャルにみんな気が付いていないんじゃないだろうか。 そこで僕が、丸二日間、七輪だけを熱源として使って生活することで、世の中に対してアピールしてみたい。
(加藤まさゆき)
七輪――それはひとつの宇宙
僕のうちの七輪は学生時代に買った。今でも愛用している。
秋になると、アパートの近くの空き地で炭火をおこし、砂肝や椎茸を焼きながらビールを飲んだ。 春にはもちろん、夜桜の下で熱燗を沸かして飲んだ。いい思い出だ。 ひょいっと担いでいくだけで、何でも焼ける。お湯も沸かせる。寒くなったら暖まれる。そこに小さな一つの宇宙が生まれる。素晴らしい道具。 もしかしたら二日くらいなら他の熱源を使わなくても、七輪だけで暮らせるんじゃないだろうか。(なんせ宇宙だ) 挑戦してみた。
七輪ニスト(シチリニスト)の朝は早い
火が回るまでの間、目覚ましにコーヒーを飲もうと思ったが、それはできない。お湯が湧いていないからだ。 しょうがないからシャワーでも浴びるかと思ったが、それも七輪以外の熱源を使ってしまうので、できないことに気が付いた。 七輪生活、意外とシビアだ。 とにかく寒いので、火が回ってゆく七輪で手を温めつつ、頃合いを待った。平日の朝から手が煙臭くなった
さあ、飯を炊こう
続いて味噌汁、卵焼き
ご飯はこのあと20分加熱。火から下ろして「蒸らし」に入れた。成功か失敗かは分からないが、この間に他のおかずを作ろう。 まずは味噌汁。ネギと油揚げ。強い火力であっという間に仕上がった。そして卵焼き。こっちは弱火で仕上げないとすぐに焦げ付きそうだったので、弱火にした。 小窓を閉めてから、実際に火が弱くなるまで1分くらいかかる。この調節のタイミングにも慣れてきて、おかずが完成した。
ところで肝心のご飯は、成功したのだろうか。見てみよう