僕は寝る時、仰向けの姿勢が多い。たまに横向きになったり、うつ伏せになったりもするが、基本姿勢は仰向けだ。その姿勢が最も体を休めるのにラクだからである。
われわれニンゲンからすれば、疲れをとるのに最も適した姿勢は仰向けではないかと思われる。だが、人間以外の動物は様々な姿勢で眠ると聞く。中にはそんな姿勢で疲れとれるのか?と、心配になるものもある。
今回はそんな様々な動物の眠り方を検証してみたいと思う。
(榎並 紀行)
動物の寝方はかなりバリエーションに富んでいる
仰向けは人間が寝る時の一般的な姿勢だと思う。それは人間の本能というより、親に寝かしつけられた乳児期の姿勢の名残なのかもしれない。ならばもし、僕がジャングルの野生動物に育てられたとしたら、その動物の姿勢で眠るのが普通になるのだろうか。
しかし、どう考えても「それ寝苦しくない?」と首をかしげたくなる動物が多いのだ。じっさいはどうなのか。ぜひ検証してみたい。
動物というのは野外で寝るのが普通だから、近所の公園にやってきた。ここには芝生の広場があって普段から多くのニンゲンが寝そべっているので、僕が寝ていても不自然ではない。
さあ、寝るぞ
まず最初の検証動物はオオカミだ。哺乳網食肉目イヌ科の動物で別名タイリクオオカミ。全世界で絶滅の危機に瀕している希少動物である。鋭いキバを持ち、群れでシカやヤギを襲うなど獰猛な性格をもつが、そのキャラクターに似合わず寝姿はかわいい。
イメージ図
オオカミは体を折りたたみ腹ばいになって寝る。さすがイヌ科だけあって、その寝姿は愛らしい。 じっさいに寝てるのは30歳ヒト科のおじさんなので愛らしいというより見苦しいですが勘弁してください。
肝心の寝心地なのだが悪くはない。とくに窮屈な箇所もなく、体を休められる感じだ。考えてみたら酔っぱらって玄関で寝てる時こんな体制になっていることがある。そういう意味では人間の本能に近い寝姿なのかもしれない。ただ、だんだん腰が痛くなってくるので、長時間寝るには厳しい。
この調子で他の動物も調査したい。
シマリスはネズミ目リス科シマリス属の動物で、主にアジアに生息する。見た目の愛らしさから日本ではペットして飼われることも多い。
そんなシマリスは軟らかい体を丸め、ボールのような状態で眠る。僕はリスと違って自力で体が曲がらないので、腕でヒザを持ち上げて無理くり丸まる。これは辛いストレッチだ。運動不足の硬い体には少々難易度の高い寝方といえそうだ。
次はコチラ。
ちなみにキリンは「モー」と鳴くそうである(あまり書くことがなかったので豆知識)。
次はいよいよ最後の問題です。
当然のことながらこんな体制では眠るどころか、体制を保つことすらままならない。たぶん王貞治でも無理だろう。
野生を生き抜くためだったり、体の特徴に合わせ、動物によって寝る姿勢が変わるのは分かる。分かるけどフラミンゴとか絶対無理してるだろうと、やってみて改めて思った。
じっさい、野生を失くした動物は人間のように仰向けに寝ることもあるようだ。案外フラミンゴも人間が見ていないところでは僕のようにだらしない格好で寝ているのかもしれませんね。