大金をフイにした時の表現として「お札に羽根が生えて飛んでいく」というのがある。競馬や株で失敗した人の頭上を羽根の生えた札束が飛んでいくのだ。
そんなふうに大金を失うのは嫌だが、大金がかかった一世一代のギャンブルになら、憧れる気持ちも少しある。
その衝動が爆発してしまうと、たぶん人生が台無しになってしまうので、お札に羽を生やして大金を失う気分だけ堪能しようと思います。
(榎並 紀行)
札束がパタパタ飛んでいくイメージ
もう少しで大金を手にできたのに、すんでのところで掴み損ねた。そんな時には本当に、お金に羽根が生えて頭上を飛んでいくような気分になるものなのかもしれない。
実際にそんな目に合うのはごめんだが、大枚をはたく気分だけならちょっと味わってみたい。
そこで今回、札束に羽根を生やすため、法に触れるもの以外は何でも揃う近所のドン・キホーテにやってきた。
こうして札束(おもちゃ)に羽根が生えた。といってもビニールテープでくっつけただけの雑な工作です。
果たしてこれを使えば、大枚をはたくスリリングな雰囲気を醸し出せるんだろうか。早速、週末の競馬でも予想してみよう。
明日のレースは一世一代の大バクチ。そんな雰囲気が少しは出ただろうか。無謀なことはやめてコツコツ借金を返してほしい。
勝負師といえば、株価の変動にも目を光らせるものなので、なんとなくパソコンの前に座ってみた。
デイトレードは、一瞬のタイミングを誤れば大金を失う恐ろしい世界と聞く。表現したかったのはそんなヒリヒリした一瞬(でも実際に見ているのはYou Tubeのおもしろアニマル動画)。
外に出てみる
しかし、やりたかったことができているかイマイチ確信が持てない。そこで「こういう時は外に出ろ」のサイト方針に従い、外へ出てみることにする。
羽根の生えた札束は、お金が舞い降りる雰囲気も表現できるのだ。
・・・この企画、何だか危うい方向に向かっている気がする。せめてハッピーなラストで本稿を収めたい。
せっかくなので飛ばしてみたい
ということで、羽根があるからには飛ばしてみたいと思うのが人情。できれば羽根をパタパタさせて飛ばすのが理想だが、あいにくそんな高度な工作技術は持ち合わせていないので、超レトロな作戦でいきます。
膨らませたジェット風船に、枚数を減らし軽くした札束(と書くと豪儀だが、おもちゃですよ)をつけ空へ放つのだ。さあ飛べ大枚。
はい失敗。引力ってすごいね。風船を5つくらいに増やせばいけそうな感じもするが、想像以上に音がうるさく隣人に超迷惑なのでこの作戦はここで中止。
やむなく最後の手段。これでどうか。
札束を糸で吊るして巻き上げるだけ。工夫のないやり方であるが、羽根のパタパタ感を表現するのにこれほど好都合な方法はない。ITがどれだけ発達しても手動に勝るものはないんだね。
生まれてこの方、競馬も麻雀もパチンコもやったことがない。だからなのか、ギャンブラー特有の破天荒な雰囲気にちょっとだけ憧れる。
でも負けてお金を払うのはぜったいに嫌なので、これからも勝てる勝負しかしません。