基本はなんと「ギャルメイク」
目指す方向として基本は「ギャルメイク」、仏顔はその延長にある、とTETTAさんは言う。 悟りを目指していたのに、いきなり真逆っぽい方向性を示されて多少戸惑うが、とりあえずは下地のクリームを塗る。
続いてファンデーション。 「激落ち君」みたいな小さいスポンジで適当にべたべた塗っていく。もちろん、僕とねも君は化粧初体験なので、なんだかおっかなびっくりだ。
舞台用アイラインで「アーモンド」を描く。
続いて目のメイク。 「仏像の目の形の基本はアーモンド形です」、というTETTAさんの指導に従って、目を描いていく。
つづいて、アイシャドウの塗りに入る。 好きな色のアイシャドウを目の上に塗り、目の下には金色のもの(なんていうのか知らない)を塗る。
TETTAさんの仏アーティスト経歴
目のメイクをしながら、TETTAさんの経歴についてちょっと聞いてみた。
―TETTAさんは、さっきの以外にも、仏に関するパフォーマンスをやってるんですか?
そうですね、ラブホテルで仏になったり、地域のお祭りの盆踊りで仏になったりしています。
―多摩美大の学生だった、ということですが、なんで仏による表現を始めたんですか?
もともと高校生の頃、手塚治虫の『ブッダ』を読んで、仏像って面白い!って思うようになったんです。 そのあと、大学に入ってからは「自仏画」という創作をしたりしていました。大学院の修了作品も、木の板に墨と赤錆で仏を描いた作品です。
他にも仏像をモチーフにした漫画のような油絵を描いたりと、昔から仏像をテーマに創作をされてきたらしい。TETTAさんの仏像に対する意気込みは、ちょっとやそっとではないようだ。
さて、僕らの仏顔メイクの方。 目のメイクが終わったら、仕上げとして顔全体に金色のパウダーを塗り、全身が金色である仏に近づかせる。 最後につけまつげをつけて完成だ。
いったい自分が仏に近づいているのか、自信が持てない状態になってきたが、次ページの装身具の登場によって、一気に仏に近づくことになる。